第143話 夏合宿の効果 ページ1
「あちゃーやっぱりー?」
教室にて。
私と総悟が夏実に「やっぱり私達にこういうのは向いてないから交代してくれ」と伝えると彼女は「そうなるよねー」と頭を掻いた。
「分かってたんなら最初からさせんじゃねぇよ」と小声で呟いた。
叩かれた。
「地獄耳め」
「この距離で聞こえないわけないでしょ!!
もー良いから2人とも。どうせもう午後になっちゃうし、先に自由に回っちゃっていーよ」
「やったね、行こう総悟」
「あ!!その代わり!片付けは2人ともめちゃくちゃ働いて貰うんだからねーー!!」
「なんか言ってらァ」
「聞こえなーい」
後ろから聞こえる夏実の「コラー!!!」という声を無視して総悟と駆け足で教室を後にした。
「さーて何からまわろっか」
しばらく走ってから、ひと息ついたところで総悟に問いかける。
「とりあえずもう昼時だしなんか食いやすか」
「あー確かにねー」
ペラリと文化祭のパンフレットを開く。
焼きそばにフランクフルトにフライドポテトにかき氷に……悩むなぁ。
総悟に意見を聞こうと思ってそちらを見やると何故かガン見されていた。
「な、なんでしょう総悟さん」
「いや、体力ついたなァと思って」
「えっいきなりなんで」
「前ならさっきみたいにちょっと走っただけで息上がってたのに、平気そうな面してらァと思って」
「あー」
確かに。言われてみればそうかもしれない。
思えば春の私はこうやって廊下を走ったりましてや神楽の相手をしただけでもだいぶ疲れていたはずだ。
今思えばなんて貧弱な女なんだろう。
「夏合宿でちょっと体力ついたのかも」
「ガチ野宿しかけやしたしねィ」
「あ゛ーー思い出したくないでーす」
「土方コノヤローに割とでっかい借りまで作って」
「言うなってば!!」
そう言って口を押さえ込みにかかる私を軽々と避けて意地悪く笑う総悟。
このサド野郎め。
「俺、やきそば食いてェ」
「ふーん。じゃあからあげにしよう」
「オイふざけんな」
パンフレットを2人で取り合いながら、結局両方売っているクラスにたどり着いた。
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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時:2017年10月24日 20時