48。 ページ48
•
山崎さんの誕生日当日。
私は、通常通り仕事をしなければならなかった。
しかも運が悪いことに山崎さんが非番だ。
2人の予定がすれ違ってしまった。
複数の隊士が山崎さんの誕生日を祝っているように見えた。…いいな、私も山崎さんを祝いたい。
そんな願いは叶うこともなく、
女中の仕事はいつも通り多い。
「ただいま戻りました。」
「頼んだもの、買ってきてくれた?」
「はい。……あ、あの、今日って何日ですかね。」
「ん?2月6日だけど?」
「……、…ですよねー。」
かえでちゃんの伝え間違いでもなく、今日が2月6日じゃないわけでもなく、正真正銘山崎さんの誕生日だった。
…プレゼント、いつ渡そう。
昨日坂田さんに正直重い、と言われちゃって自分のセンスを何の根拠もなく疑ってしまう。
いや、根拠はある。
実際に坂田さんが私にプレゼント選びにセンスがない、と言ってるようなもの。
「……今からでも買いに行けるかな。」
でもそれだと、午後の仕事をのぞみさん、その
ただでさえ女中は人数が少なくて困っている、と土方さんが言っていたことを思い出した。
┄┄┄行きにくすぎる。
第1、のぞみさんがそんなこと許すはずない。
許してくれたら、私の中ではもう神様的存在だ。
…あぁもう、寂しい。
1日でも顔を合わせられないことが、こんなにも苦痛だったなんて。
「┄┄┄……Aちゃん。」
「は、!い…、」
「残念だったね。休み、合わなくて」
「ほんとです……。」
「…大丈夫?顔赤くない?」
「え、あ、いや…なんでもないです…、」
心配そうな顔をやめて、今度は「じゃあ、仕事頑張ってね」と私の汚い心が浄化されそうなほどに笑顔でそう言った。…さすがに心臓に悪い。
そして、今の光景を隊士達が見てないわけもなく、
みんな揃ってニヤニヤしていた。
┄┄┄私の火照りはそう簡単におさまるものではなかった。
•
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時