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「あ、佐藤!!!上様まで!」
「や、…やっと来た…。」
探してから10分後くらいに見つけた。
全然狭い範囲なのにこんな見つからないことってあるのか。
逆にすごいわ。
「そなた、女中だったのだな」
「へ、あっはい、そうです。私のようなやつが隣を歩いてしまったことをお許しください」
「いや、実によい旅であった。
よければもっと庶民の文化について教えてもらえないか?」
「えっ」
やっと山崎さんのところに行けると思ったら、
まさかの将軍様のお付き続行!?
どうしよう、断ったら切腹される。
それどころか、私は真選組居られなくなってしまう。
土方さんも顔引きつってるし。
断ったら殺されるやつだ、これ。
「も、もちろんです。真選組と合流してから行きましょう」
「あぁ、よろしく頼む。」
将軍様に聞こえないくらいの声で土方さんを呼ぶ。
「ちょ、ちょっと。なんで止めてくれないんですか!
私ついてきただけなのに…、なんでこんなことに…!」
「すまん佐藤、ほんとすまん。夕方まで我慢してくれ」
「夕方…!?」
冗談じゃない。
真選組を探してる時でさえ、将軍様と一緒にいるのは気まずかったのだ。
それをまだ感じなきゃいけないなんて…。
あぁ、あれもこれも全部松平さんのせいだ。
慰安旅行とか言いながら将軍様連れてきて、山崎さんを過労働させやがって。
「テメェら!!ちょっと来い!」
やっと合流できた。
どれほど歩かせるんだ。
「夕方まで、この佐藤が上様の隣にいてくれるそうだ。俺らも全力でサポートするぞ」
「…は、土方さんそれ本気で言ってやすかィ」
「…本気だ。」
今は余計なことを言うな、とでも言いたげな目を沖田さんを睨んでいる。
それを察した沖田さんだが、どこか不満そうだ。
「はぁ……。」とため息をつくと、
何やら隊士達がヒソヒソとしている。
何を話しているか分かると、私は顔をしかめた。
[なぁ、Aちゃんって意外と…。]
[おう…。]
[あるよな…。]
どうしてこう…、男性は胸が好きなんだろう。
ふと山崎さんの方を見るとさっきの隊士達に殺気をたたせていた。
…うん、好き。
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時