36。慰安旅行篇 ページ36
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「慰安旅行?」
「そう。場所は海らしいんだが、篠原さんが行けなくなってしまったらしくてね。そんで私か、Aを隊士達が指名したんだ」
「…のぞみさん行ってください。私はめんどいです。」
「言うと思った。…山崎さんも行くらしいぞ?」
「あー、なんか急に行きたくなってきたなぁ。」
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私は今、更衣室。
慰安旅行、という言葉に騙された。
この旅行はバリバリ将軍お付き旅行だった。
とりあえず水着に着替えたが、露出度が半端ない。
こんなお粗末なものを隊士達に見せてしまったら、
気まずくてしゃーないだろう。
将軍様もいるわけだ。
一応ラッシュガードを持ってきて正解だった。
「…あれ、?どこ行ったんだろう…?」
更衣室から出ていくと、隊士達がいない。
私の着替えが待てなくなるほどの用事…?
絶対将軍絡みだ。
私はどこで待ってればいいんだろう。
「すまん、少しいいか。」
「は、はい?」
「余の付き人とはぐれてしまってな。一緒に探してはくれぬか」
「………(将軍かよォォォォ!!)」
これはどう返すべき?
「あなた様のような隣を私が歩いてはなりません」
断ってしまったから切腹かも。
「いいですよ!行きましょう!」
馴れ馴れしすぎて切腹かも。
助かる道がねぇ…。
「将軍様、お初にお目にかかります。
実は私もその付き人とはぐれてしまったんです。
一緒に探しましょう。」
「おぉ…!!恩に着る」
とりあえず切腹の道は逃れたようだ。
土方さん達がいなくなった理由はこれか。
しかし、やっぱり将軍様目立つよな。
私なんかが隣歩いて大丈夫なのかな。
通りすがりの人がヒソヒソしてるし。
付き合ってるんじゃないっつうの。
「…見つかりませんね。」
「かき氷とはなんだ?」
「かき氷…ですか?」
「あぁ。すれ違う時、庶民は
まさかのご希望。
上の者に立つ者って本当に大変なんだな。
高級な食事しかしてなさそう。
何がともあれ、この場でかき氷について教えてあげられる人は、私しかいない。
落ち着け、これは任務と考えろ。
「…ではかき氷を食べてから、捜索を続けるとしますか。」
「そうだな。」
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時