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「山崎さぁ〜ん♡」
…ここ数日これを見せつけられている。
私の笑顔が引きつっているのが自分でもはっきりと分かってしまう。
他の隊士達は羨ましい、という目で見ているが、
事情を知っている土方さん達はすごく、私を心配そうな目で見つめる。
お願いだからやめてくれ。
「この資料なんですけどぉ〜」
「な、何?篠原さん。」
「えー…、いつもならゆめちゃんって呼んでくれてたじゃないですか!」
「え!?」
は?
山崎さん、それは一体どういうことかな。
しかし、名前呼びくらい誰でも親しくなればするもの。
それで怒るなんてだいぶ見苦しいぞ、私。
のぞみさん助けてください。やっぱ無理です。
だって胸とか押し寄せてるんだもん。
狙ってるやん。
「おい雌豚、ザキのことはいいからこっちをやりなせェ」
「沖田くんひどい〜!!…あ、佐藤先輩のこと気にしてるんでしょ?」
「…別に、」
「もーバレバレ♡」
沖田さんは一瞬こちらを向いて、すぐに篠原さんに向かって「チッ」と舌打ちをした。
それが聞こえた篠原さんは「ツンデレだよね!」と言った。
いやメンタル強。
「佐藤先輩!よかったら…、勝負しませんか?」
「え、…なんのですか?」
「山崎さんをかけて♡」
はい?
山崎さんかけて、ていうか私彼女なんですけど。
え、何この子。ネジが1本外れてるの?
いやこれは絶対1本じゃない。
常識からかけ離れてる。
「え、と…何言ってるのか分かんないんですけど…。」
「もしかして…自分に自信があると思ってるんですか〜?」
「は、はい??」
「とにかく!!ゆめも山崎さんのこと好きなんで、
容赦しません!」
「な、何が!?!?」
「じゃあ夜の8時くらいに道場来てくださーい」
「ちょっ、ま…。」
勝手に勝負を申し込まれてしまった、
やっぱり山崎さんのこと狙ってたんだ。
女の勘ってやつで結構当たっちゃうんだよな。
…あれは女の勘なしでも当てれそうな勢いだけどな。
ていうか…、
「止めてくださいよ!!、山崎さんは別として!!」
「うわ、こいつ。ザキを特別扱いしやしたぜィ」
「相当惚れ込んでるんだねぇ、そんなAにお使いを頼もうかしら」
「いやなぜ!?」
「ちょ、ちょっと待ってください、あの勝負って本気でするんですか!?」
山崎さんが土方さんに問いかける。
それは私も気になっていたところだ。
「…まぁ、佐藤の剣術も気になるっちゃ気になるからな。」
「土方さんが味方をしてくれない…。」
「俺空気?」(近藤)
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時