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沖田さんは屯所に戻っていって、私達は2人っきりになった。
正直気まず過ぎる。
しかも今日は会わないって決めたのにめっちゃ会うし。
「Aちゃん………この間は、ごめん、」
「…悪いのは私です。」
「いや…、俺がもう少し頭働いてたら…!!」
「違う!!…、臆病だから…。自分はあんだけアタックしといて私のターンが来たら、結局逃げちゃうんです…。」
「Aちゃん…………、」
そう言うと、山崎さんは再度、私を抱き寄せて今度は真正面からぎゅっと包むように抱きしめた。
本当に…どこまで優しいんだ、この人は。
こんな自分勝手な私を受け止めてくれるとでも言うのか。
私の中の何かが、安心感で覆われていく。
山崎さんと私は一緒に顔を見合わせた。
すると、山崎さんは「ふふっ」と笑ってみせた。
「や、山崎さん……??」
「俺は…、どんな時でもまっすぐに想いを伝えてくれるAちゃん好き。笑ってる時のAちゃん好き。それに…俺を大切に思ってくれてるところも好き。全てが可愛い。」
「……ずるい、」
「だからさ、そんな悲しい顔してないで笑ってよ?」
「…もう、山崎さんがそんなこと言うから、笑うことしかできなくなっちゃったじゃないですか…。」
「何それ。(笑)…でもそんなところも可愛いって思うよ」
私のライフを0にさせる気なのか?
かっこいいし、可愛いし、このやり場のない感情はどうしたらいいんだよ。
「も〜…好きです…。」
「急だね〜。俺も好き」
「…山崎さん、」
「ん、どうしたの?」
「あの件…ですけど、
決心ついたら……。」
「…うん、俺もそのつもり。ゆっくりでいいからね」
「…はい!」
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時