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「お登勢さん…、もう一杯……ヒック、」
「昼から飲んでんじゃないよ。…あんたが酔い潰れるなんてよっぽどのことがあったのかい?」
「ないっすよ〜……。」
山崎さんのことを思い出すと、
お酒で流し込んでしまいたいくらい、恥ずかしい。
だからこうやって記憶を曖昧にさせようとしている。
あっ、なんかこのまま寝れるかも…。
すると、戸を開ける音が私の耳に響いた。
「…らっしゃい。…なんだあんたかい」
「一杯たのまぁ。…あれ、見覚えある顔…。」
「…??……、さか…たさん?」
「酒くせっ!!こいつ…何杯飲んでやがる」
「…うるせぇ…!あっ、坂田さんも一緒に飲みます〜?」
「遠慮しとくわ。俺まで潰れそうだ。」
「もーひどいなぁ」と甘ったるい声が出た。
坂田さんは何かに反応したように、私の隣を座ってきた。
「ど、どうしたんですか」と聞くと、歪んだ顔でこんなことを言ってきた。
「山崎くんにだけ可愛げ見せるんじゃなかったの〜?」
私は甘えてるんじゃない。
ただ、お酒で酔ってしまってこんな声が出てしまうのだ。
こんなに意識を保っているのも、そういう声を出さないようにするために頑張っていた。
坂田さんは面白いおもちゃでも見つけたぜ、みたいなことでも言いたそうな顔をしている。
「坂田さんのせいで酔いが覚めました。」
「よかったじゃねぇか。てか俺じゃなかったらお前とっくに襲われてるぞ」
「はぁ…?……かえでちゃんとはどうなんすか。」
「ふっ…合体したのさ」
「は…、?」
「合体」という言葉に異様に反応してしまった。
山崎さんとそういう状況になったからこそ、
今この話をされるのはものすごく恥ずかしい気持ちになる。
…襲ってほしかったなんて。
「…顔真っ赤じゃん。ピュアだねェ〜」
「ち、違う…、」
「…よしな銀時。あんたも、水飲んでさっさと帰んな。」
「…山崎さんに会いたくない。」
「こいつ、なんでこんな情緒不安定なの?」
「んー、!うるさい!!…お登勢さん、お邪魔してすいません。ごちそうさまでした」
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時