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「…会いたい。」
「…何、また言ってるの?」
「いやまたっていうか…。」
「…彼氏に連絡してみて、会えそうだったら仕事代わってあげるわよ」
「え、マジっすか?神なんですけど!!」
早速、携帯を取り出して連絡をしてみる。
お仕事中だったら申し訳ないかな。
でも、メールするくらいはいいよね。
実は何回か、山崎さんから『会いたいなぁ』という連絡が来ていた。
でも、配車の仕事が忙しくて心が痛みながら断っていた。
今日こそ絶対会ってやる。
ていうか会わないともうすぐ私が死にそう。
10分くらい携帯とにらめっこをしていると、
バイブが鳴った。
『会えるよ!!…今から行ってもいいかな?』
「……いいに決まってんだろうがァァァ!!」
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「山崎さんに会える会える♡」
あの後、待ち合わせ場所を決めて、
今、その場所にいるので山崎さんをウキウキで待つことになる。
配車の仕事の後に、こんなご褒美があったら毎日頑張るのに。どんな仕事でも笑顔で引き受けるのに。
『山崎さん、今着きました!どの辺ですか?』
そんな連絡を入れてから、ポケットに携帯をしまった。
それから1時間が経過した。
山崎さんはまだ来ない。
…寒い。
大丈夫、山崎さんは来る。
きっと交通状況が悪いとかそんなんでしょ。
2時間。
足の感覚と手の感覚が薄れてきた。
携帯を見ても山崎さんから連絡は返ってこない。
これはきっと、神様がお怒りになったんだ。
仕事を人に任せてしまった私に罰が与えられたのだ。
「はぁ…はぁ、Aちゃーん!!」
「…山崎さん!!」
「待たせてすんませんでしたァァァ!!」
「、ちょ…!山崎さん!?顔上げてください!全然怒ってないですよ!」
「俺が…、!不甲斐ないばかりに…。」
「と、とりあえず無事が確認できてよかったです。」
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時