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「山崎さんっ!!」
「ん、どうしたの…?」
「寂しかったので…ジェットコースターで、手、繋いでもいいですか…?」
「え、!?ぜ、全然いいけど…」
坂田さんを置いてきてしまった。
まぁ、かえでちゃんなら空気読めるし、ここから退散してくれるはず。
ほんとごめん、かえでちゃん。
やっときたジェットコースター。
座席はもちろん、山崎さんと隣。
少し当たる肩に私はドキッとしてしまう。
「Aちゃん。」
「は、はい!どうしました?」
「……好きだよ。」
「…へ、」
ジェットコースターはその瞬間、落ちていった。
だけど、叫ぶどころではなかったのだ。
激しく揺れていても、考え事ができてしまうくらい
頭の中は山崎さんだらけだった。
やっと揺れがおさまったころ、ジェットコースターは終盤を迎えた。
「あっの…、今のって。」
「…俺、Aちゃんのこと好きになっちゃったみたい…。」
「ゆ、夢かな…、現実かな、」
山崎さんは私の手を離して、抱きしめてきた。
ダメだ、心臓がうるさくて。
ジェットコースターも停車したころ。
「山崎さん、もう、時間ですよ…!そろそろ」
「あと10秒だけ」
他の人も見てるのに、嫌な気がしないなんて。
私、本当に山崎さん大好きだよな。
ジェットコースターも乗り終わって、
次何乗ろうか、と話していた。
だけど、坂田さんが「自販機行ってくる、」と言った矢先、山崎さんも「俺も飲み物買ってきます」と言った。
今はかえでちゃんと2人。
今日のデートの進捗でも話そうか、と考えていた。
山崎さんに告られちゃったし♡
「お姉さんー?ちょっと向こうでお化け屋敷とかどう?」
「こ、困ります…」
かえでちゃんがナンパされていた。
「す…すいません。」
「あ?」
「私のと、と、友達なので…離して…もらえないでしょう…か。」
「俺はこいつに喋ってるんだけど?
…それともお前がナンパされないから嫉妬?(笑)」
「えっ……、」
「安心して、お前みたいなブス。好きじゃねぇから」
汚い笑い声が聞こえる。
泣きそうになるのをグッと堪えた。
違う。私もお前みたいなの好きじゃない。山崎さんしかいない。って言いたいのに…。
口が動いてくれない。
「Aちゃん!!!!」
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時