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それってつまり私たちが決めろってこと…?
銀さんは私たちに地図を渡してきた。
かえでちゃんなりの気遣いだろうけど、
私は優柔不断だ。
決められない、どうしよう。
すると、山崎さんが私の持っている地図の、ある特定の場所を指した。
「ジェットコースターがいいなぁ…」
「山崎さんが乗りたいのなら乗りましょう!!」
「A…それでいいのか…?」
「いいじゃねェか。楽しそうにしてるんだし」
4人一斉に歩き始める。
なのに、なぜか私と坂田さん、かえでちゃんと山崎さんという構図になっている。
え、なんで?ずっと隣キープしてたはずなのに。
いつの間にかこんなドSに入れ替わってたの。
「今どういう考えしてるのかはっきりわかるわ」
「…はぁ…」
「返事辛辣すぎない?もうちょっと可愛げあったほうがいいよー」
「…いや、恋人以外にに可愛げ見せる必要ないんで。」
「…なァんか、付き合う前のかえで思い出す、」
「付き合う前の、…かえでちゃん?」
そういえば、私ばっかり話してて
かえでちゃんの惚気話、最近聞けてなかった気がする。
「ちょっと聞く?」と聞いてくださいオーラ満載で聞いてくる。
私も気になるから、「どうぞ」と言った。
「まぁ出会いは…、ナンパなんだよ」
「……。」
「んでさ、かえでは案の定、今のお前みたいに冷たくて
諦めようと思ってたんだわ。…けどかえでの髪が俺の服に引っかかっちまって。」
「……。」
「かえでは、その木刀で切ってもいいよ、って言って暴れやがるんだよ。でも俺、綺麗な髪は大切にしろって言ったんだよな、確か。そしたらかえで、顔赤くして固まりやがってさ。あいつから寄ってきてくれるようになったんだよ」
予想していたのとは少し違っていたけれど、
やっぱり坂田さんは優しい人だ。ちょっと変わってるけど。
こうして話をしている間にジェットコースター付近に着いた。
「…やっぱ、俺の話つまんなかった?」
「…面白かったですよ。初々しくて可愛かったですよね?かえでちゃん」
「そりゃそうに決まってんだろ?」
「ですよねー。」
「つかいいの?ジミーとかえでが一緒で」
「よ、良くはないです。嫉妬してます」
「奇遇だな」
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作者名:サラダ | 作成日時:2024年1月15日 13時