ありおか恋愛相談所３

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伊野尾side


「せんせぇ、今度デートしようよぉ〜」

「はは(笑)デートかぁ…」

「ねっ、いいでしょ？？」

「どうかなぁ〜？」



授業の合間の休み時間。
１年生の階に行って、次の授業のクラスに入ろうとしたら聞こえてきた会話。

何人かの女子生徒と、高木先生。


なんだよ、逆ナンされてやがる。



「先生ってほんと、カッコいいよね！」

「ね！私カレシにしたい！」

「彼氏かぁ〜、もうちょっとみんなが大人になってからかな？」


そう言って優しく笑う。
極めつけは頭を撫で撫で。

おまえ、そんなことしたらもっと女子生徒をヒートアップさせるだけだぞ。



「じゃ、みんな次の授業頑張ってね！」


きゃあきゃあ騒いでる女子たちの間をかき分けて、すっと輪の中から抜けた高木先生。


あいつ、相当女子の扱い上手いなぁ……。



「あっ、伊野尾先生、お疲れ様です」


俺がじーっと見つめすぎたのか、高木先生と目が合った。


何気、初めて話し掛けられた。



「あ、お疲れさんです」


小さく手をあげて、答える。


「伊野尾先生は、科学の先生ですよね？」

「あっ、はい。白衣着てるんで…」

「白衣、似合ってますね！」



ドクンッ



はぁ……！？！？
こ、こいつ、まさか無意識かぁ！？



「あ、あの…顔真っ赤ですけど…大丈夫ですか？」


こいつ。やばいっ。
何なんだ？？？



女子だけじゃなくて、男にもそんな態度なのか？

ってことは、やっぱり無意識で？

なんてことだよ……。
おい大ちゃん、とんでもねぇよ、こいつ。



「あ、暑いだけですんで。」


嘘つけ。暑くねぇよ。いや、いろんな意味で暑いけど。


「じゃあ、授業頑張ってください」


ニコッてさっきの女子生徒たちに向けられた笑顔と同じものを俺にも向けられて。



「あ、どうも……」



もう唖然としちゃって。



その間に、授業の始まりを告げるチャイムが鳴って、高木先生は「じゃあ、」と歩いていってしまった。




その日の授業は、あんまり憶えてない。




大ちゃん、俺、あいつ気になるかも。





＿＿＿＿＿＿もっと知りたい、かも。

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