二人の出会い たかいの編 ページ22
伊野尾side
この高校に来てから、もう4年ほど経つ。
前の学校は男子校で、まぁいろいろあって…そこは1年しかいられなかったなぁ。
いろいろって、まぁ想像に任せるけど。
「伊野尾く〜ん、なにぼーっとしてんの？」
「んぇ？」
高木の家。
ソファでくつろいでいると、コーヒーを片手にぽすんっと俺の隣に腰をおろした高木。
「考え事？」
「ふふ、うん。昔のこと、思い出してたの」
高木に出会ったのは、確か2年前……。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
つまんねぇ……。
俺は思う。
入学式ほど、つまらない行事はない。
確かに大事な一大イベントではあるけれど、別に校長の話がこんなに長くなくたっていいじゃない？
もう飽き飽きしてるよ。
高校の教員になってから4年目。
この学校になってからもう2年の月日が経とうとしている。てかもう経ったか。
俺が初めて教員を勤めた学校のせいで、ちょっとだけ男性恐怖症になったけど、それももう大分症状が安定して、普通にこの今の学校で働いてる。
「伊野尾せんせ〜」
コソコソっと隣から俺を呼ぶ声がして、見れば眠そうな顔をした保健室の先生の姿。
ホントこいつは馬鹿だと思う。
「なに、今入学式だぞ」
「ヒマ〜」
「しーっ、だまれっ」
呆れる。ほんとバカ。
まぁ、そこが好きでもあるんだけどね、大ちゃんよ。
「ふぅ、やぁーっと校長の話終わったねぇ」
ぐーっと伸びをして、ふぁ〜と欠伸をひとつ。
おまえ、いつかクビになるぞ。
「おっ、高木だ！」
眠たそうに目を擦っていた大ちゃんが、パチッと目を見開いたと思ったら、その目線の先には今年入ってきたばかりの新しい先生の姿。
えーっと確か名前は、高木雄也だっけな。
「すごいよなぁ、美術の先生で、クラスの担任だぞ？」
「ふーん、すごいの？それって」
「え？すごくねぇの？」
「分かんない」
高木かぁ……なにかと学校で見かけることはあったけど、話すことは無い。
大ちゃんはもう既に仲良しみたいだし……。
ホント尊敬する。
「高木って彼女いんのかな？」
「知らない、いそうな顔してる」
「だよな！なんか色気のある！！」
大ちゃんの言う通り、お色気むんむん。
ありゃりゃ、女子の目ハートだぞ。
「高木、案外面白いよ！話しかけなよ！」
隣でバシバシと背中を叩かれて、痛ぇぞコラ。
……てかあいつ、美術の先生か。
ふーん、今度絡みに行こ。
＿＿＿＿＿＿＿＿気になる存在。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 345人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
泣かせて見せよう - 早く続きみたいです！けとちねもっとみたいです！ (2018年12月1日 23時) (
レス) id: fe12f049fc (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - 続き早く読みたいです！ (2017年5月1日 17時) (レス) id: d6828c72d6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - やぶひかＬｏｖｅさん» コメントありがとうございます♪他のペアもどんどん書いていきます！！ (2016年12月24日 0時) (レス) id: 06fe3de9b1 (このIDを非表示/違反報告)
やぶひかＬｏｖｅ - ゆとやまの出会い！…素敵ですね。あぁ、素敵ですね。笑 他のカップルの過去も知りたいです！続きが気になります！ (2016年11月26日 8時) (レス) id: c5bd122c69 (このIDを非表示/違反報告)
りょうぱち(プロフ) - やぶひかＬｏｖｅさん» ありがとうございます！！！やぶひか大好きです、はい！(笑)続き頑張ります♪ (2016年11月5日 22時) (レス) id: c2f6555a36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りょうぱち | 作成日時：2016年10月18日 19時
