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(80)婚約者と相棒 ページ41

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或る日の午後。

Aは書類提出の為に中也の執務室へ向かっていた。
ポートマフィアと云えど毎度実践任務のわけではない。況して幹部補佐ともなると余程じゃない限り借り出されない事の方が多い。

その代わり増えるのは部下からの報告書類の整理であってAは其れが大嫌いだった。



『お邪魔しまー…』

「あら、こんにちはAさん」



普段散々他人(ひと)に云うクセにノックをせず扉を開けたAが見たのは、鉛筆片手にソファへ座る陽和の姿だけだった。



『…彼の阿呆は』

「丁度先程出て行きましたよ」

『あっそ。じゃ、』




"阿呆"で誰の事か通じるのか…。
仮にも婚約者を阿呆で認識して良いのか。
…良いか、中也だし←

未だに陽和を良く思っていないAはさっさとその場を立ち去ろうとする。



「あのっ、今、お時間ありますか?」

『……無いことはないけど、何』



不快そうにしたAが低く云った。



「よろしければお話でもしませんか?其の内に中也さんも帰ってくるかもしれないですし」



優しく口元を緩めた陽和が真っ直ぐにAを見る。

A自身、終わらない書類整理にも飽きがきていた頃合いだ。
それに、此処で中也の帰りを待っていれば態々無駄に執務室を往復せずに済むのもまた事実。



『…いいよ、どうせ暇だし』

「ありがとうございます!ずっと此処に居るのも退屈で…」

『仕事とかは無いわけ?』

「はい、何1つ任せてもらえなくて」



そう苦笑した陽和の隣にAが座り、女子2人の他愛も無い会話がスタートした。


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ヤマダノオロチ(プロフ) - Yuukiさん» ありがとうございます!やっと構想がまとまってきました。これからもよろしくお願い致します! (2017年2月18日 23時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
Yuuki(プロフ) - とても面白かったです!スランプで大変だと思いますが、これからも頑張ってください!応援してます!! (2017年2月18日 23時) (レス) id: 3720d37733 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 天さんさん» コメントありがとうございます!上から目線だなんてそんな事無いですよ!?お褒めに預かり光栄です(>_<)最近はラブソングばっか聴いてて、主と中也くっつけたい〜とか考えてます(笑)これからも頑張ります! (2017年2月14日 20時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
天さん - う、上から目線で失礼しましたぁああッ!! (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - スランプ大変ですよね…文章とか読みやすくて好きです!頑張ってください(*´ω`*)ちなみに、私はスランプの時は曲を聞いてます。曲聞いてるとネタがポンポン出てきますので…!これからも応援してます(´˘`*) (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年9月4日 20時

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