(66)知らなかった ページ27
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トイレに備え付けられた鏡で自分の顔を見た。
前髪の間から覗く眉間に深々と皺が寄っている。
自分の顰めっ面を見たところで解決するわけではないが、部屋を出るには良い口実だった。
いつもは逆だ。
大抵独りで何か隠し事をしているのはAで、俺は其れを叱る側だった。
いつも思っていた。
"辛い事があるなら何で云わねーんだ" って
目の前で独り抱え込む彼奴を見るのが辛くて擬かしくて腹立たしかった。
だけど、
「(云い出せない、って辛えんだな…)」
云わなくちゃいけない事は判ってる。
それでも云い難い事がある。だから独りで眉間に皺を寄せるしかない。
彼奴には彼奴の苦しみがあったんだ。
云ってもらえない俺と同じか其れ以上の苦しみが。
20歳にもなってこんな簡単な事も知らなかったとは赤っ恥だ。
其の時、ポケットから携帯の着信音が響いた。
画面に表示された名前は、『A』
「…んだよ」
『あ、出た。ねぇそろそろ帰ってきなよ、珈琲冷めてるよ』
「既に冷めた後かよ」
中也がそうツッコんだ時には、ツーツーと無機質な機械音が聞こえていた。
相変わらず自分勝手な奴だ。
トイレを出て執務室への道を引き返して行く。
其の途中、すれ違い様に誰かとぶつかってしまった。
「っと、悪りぃ」
「すみません」
見慣れない顔だ。随分と整った顔立ちをしていたが、何処の誰だろうか。
服装も他の輩と違って薄桃色のワンピースを着ていて、身長は中也よりも低い(重要)
育ちの良さそうなお嬢様、という感じだった。
この女性とは後に大きな関わりを持つことになるのだが、此の時の中也に其ンな予測は立たなかった。
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ヤマダノオロチ(プロフ) - Yuukiさん» ありがとうございます!やっと構想がまとまってきました。これからもよろしくお願い致します! (2017年2月18日 23時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
Yuuki(プロフ) - とても面白かったです!スランプで大変だと思いますが、これからも頑張ってください!応援してます!! (2017年2月18日 23時) (レス) id: 3720d37733 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 天さんさん» コメントありがとうございます!上から目線だなんてそんな事無いですよ!?お褒めに預かり光栄です(>_<)最近はラブソングばっか聴いてて、主と中也くっつけたい〜とか考えてます(笑)これからも頑張ります! (2017年2月14日 20時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
天さん - う、上から目線で失礼しましたぁああッ!! (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - スランプ大変ですよね…文章とか読みやすくて好きです!頑張ってください(*´ω`*)ちなみに、私はスランプの時は曲を聞いてます。曲聞いてるとネタがポンポン出てきますので…!これからも応援してます(´˘`*) (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年9月4日 20時