(62)たぶん副作用 ページ23
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それはとある朝の出来事だった。
何時もの時間にAが出勤すると、先に来ていた中也が丁度執務室を出るところに鉢合わせた。
おはよう、と一言云ってお互い通り過ぎようとした時、中也がハッとして振り返った所から今回の話は始まる。
「…手前、背ェ縮んだ?」
『は?いや、其れアンタが伸びたんじゃね?』
「え?嗚呼、まあ普通そうか。けど何か…」
違和感が残るのか、顎に手を当てて考えるポーズをする中也。
『…もういいから早く行きなよ、用事有るんでしょ』
「おう、行ってくる」
先を云うと此れは実際気のせいでは無かったのだが、当時のAは全く気にも留めていなかった。
だが、其の日の午後、
「ん?A御主…身の丈が少々縮んでおらぬか?」
『えっ』
何と尾崎にまで指摘された。
今日の任務中に部下がジッと見つめてきたのも、先程会った樋口が「あれ?」と零したのも、立原が「気のせいだよな…」と云って広津に睨まれていたのも全て……
『私、マジで縮んでる…?』
疑惑が半分確信に変わりつつある事を悟り、Aは医療班の元へ駆けた。
「…えー…159.0cmですね」
『うっそん』
「本当です…A補佐、もう3回目ですよ測るの」
自分でも身長計測器の目盛を見たが矢張り示された数字は『159.0』であった。
Aの顔が引き攣るのを医療班員は見た。
後日談、「世界の終わりの様な表情でした」
『嘘だろ…彼のチビよりチビだなんて…』
「
『其れは勿論中也の阿呆…わぁ、御本人様だぁ…』
「手前、身長縮んだらしいじゃねェか。歳か?」
『わー五月蝿い黙れ!何かの間違いだ絶対!!』
何時もの様に脛を狙った脚は空を切った。
「何回も同じ手に掛るかよ」
『〜〜中也の莫迦、阿呆、●ね!!!』
「テメっ、原因聴いてきてやったのにそりゃねーだろ?!」
『……は?』
間抜けな声を出すA。
ったく…と溜息を1つ吐いて中也は話を続けた。
「此の前の薬の副作用だと。敵のか梶井のかは判らねーが。歳のせいじゃなくて良かったなァ?」
ハッ、と鼻で笑う中也にカチンときたAだが、其処は少し大人になって『あー良かったよ』で済ませた。
『ま、私は女だから小さくても別に良いし?何処かの誰かみたいにちっこいとか揶揄われる事も少ないだろうし?』
「何処の誰の話だコラ。つーか手前女だったか?」
『ああ"!?』
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ヤマダノオロチ(プロフ) - Yuukiさん» ありがとうございます!やっと構想がまとまってきました。これからもよろしくお願い致します! (2017年2月18日 23時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
Yuuki(プロフ) - とても面白かったです!スランプで大変だと思いますが、これからも頑張ってください!応援してます!! (2017年2月18日 23時) (レス) id: 3720d37733 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 天さんさん» コメントありがとうございます!上から目線だなんてそんな事無いですよ!?お褒めに預かり光栄です(>_<)最近はラブソングばっか聴いてて、主と中也くっつけたい〜とか考えてます(笑)これからも頑張ります! (2017年2月14日 20時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
天さん - う、上から目線で失礼しましたぁああッ!! (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - スランプ大変ですよね…文章とか読みやすくて好きです!頑張ってください(*´ω`*)ちなみに、私はスランプの時は曲を聞いてます。曲聞いてるとネタがポンポン出てきますので…!これからも応援してます(´˘`*) (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年9月4日 20時