重力、夢中力…弐｡【中原中也】

(52)逆襲 ページ11

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そうと決まっては早速作戦を立てよう…



…とはならず、麩菓子少年改(あらため) 江戸川乱歩が超推理とかいう異能を使って私を狙った奴らを割り出した。



「狙われた理由が怨恨なら、ソイツらは何の変哲もない只の一般人だ」


「重要なのは…」


「何でそんな奴等がこんなクスリを持ってたか、だね」


『……』



今の所あれから少女姿に戻る事は無く、普通にいるわけだが、私に打たれた薬は相当厄介らしい。

少女に戻った時、其の少女時代の思想になってしまうこと。つまり、今の20歳の記憶が一時的に無くなること。

逆に少女姿から普段の私に戻ると、少女姿だった時の記憶が無くなること。


簡潔に言えば、少女姿の時は意識を失っている状態と同じというわけだ。




「そんなのは簡単さ。誰かに遣われたんだ」


「成る程。彼等は駒だったわけだ」


「つまり、黒幕は別に居るという事だな」



仕事上、恨みを買うような真似を散々しているが、だからといって逆襲する奴は今まで見たことがなかった。

何故なら私はマフィアの一員だからだ。



「まあでも、結局君は太宰の事件に巻き込まれたんだ」


『太宰の事件に？』



フロアに居る全員が目を見開いて江戸川の次の言葉を待った。



「君が受けた恨みは太宰への恨み…否、太宰への執着と言うのかな」


「私？」


「簡単なことですわ」



セーラー服を着た谷崎妹…ナオミが兄の潤一郎に身を寄せながら口を開いた。



「犯人は女性です。…女の恨みは怖いんですのよ？」



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