(43)儚く消するが運命 ページ1
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幹部代理としての生活も3ヶ月続き、3ヶ月も続けば慣れてくるものである。
突如飛び込んでくる任務への対応もスムーズだ。
早朝に部屋へ飛び込まれるのもザラではない___
「Aさんっ!!」
『あ"あ?! 今何時だと思って「緊急の要請です!」
___が、かと言って何も感じないわけではない。
こんな事が度々ある為にここ最近は自宅にも帰れず、執務室で夜を明かしている。
『つかノックしろって云ってンだろ!』
「す、すみません…!」
Aがキレ気味に云うと、伝達に来た下級構成員はビクッと肩を揺らし乍謝罪を述べた。
寝起きのAAは正に『触らぬ神に祟りなし』がピッタリと当てはまるのである。
荒い言葉遣いが今は海の向こうに居るこの執務室の主を匂わせるが、其れを口に出せば今度こそあの世逝きの急行列車に乗ることになるので(強制的に)、構成員は口を閉じた。
『で、何が起きたンだよ』
「あ、其れが_______」
『っとに…2時就寝で4時に起こされるって何の嫌がらせさ……おい』
何時ものスーツを身を纏い、少し寝癖の残る頭でAは目の前の男女2人に声をかけた。
背後に響いた声に、2人は驚きを隠せない顔で振り向く。
『寝起きで暴れるのも怠いンだわ、さっさと此方来い』
何故こんな早朝に下級構成員の男女が荷物を持って
答えは簡単だった。
『今時駆け落ちなんて、随分ロマンチストなんだね』
「っ…お願いです!見逃してください!」
「お、お願いします!!」
頭を下げる2人にAは呆れながら、ため息混じりに告げた。
『あのね、幾ら下級と云っても世の裏を知ってることに変わりはないの。外に出てこれから君らが何するかもわからない…あと、お前は異能者だよね』
Aの細い人差し指が男へ向かって真っ直ぐと伸びた。
「何も言いません、だから『だから、』
眉間に寄った皺とその下の冷たい瞳が男を、そして女を順に刺した。
『駄目なもんは駄目なの。嫌なら逝くしかないの。どうせ君みたいなポンコツ異能者は邪魔なだけだし』
ガクリ、と力無く倒れる2人に背を向けてAは歩き出す。
『…偶には純粋に撃ってやるのも良いのかもな』
目を擦りながら欠伸をした幹部代理役は、何事も無かったかのように執務室へ戻り、ソファで二度寝を始める。
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ヤマダノオロチ(プロフ) - Yuukiさん» ありがとうございます!やっと構想がまとまってきました。これからもよろしくお願い致します! (2017年2月18日 23時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
Yuuki(プロフ) - とても面白かったです!スランプで大変だと思いますが、これからも頑張ってください!応援してます!! (2017年2月18日 23時) (レス) id: 3720d37733 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 天さんさん» コメントありがとうございます!上から目線だなんてそんな事無いですよ!?お褒めに預かり光栄です(>_<)最近はラブソングばっか聴いてて、主と中也くっつけたい〜とか考えてます(笑)これからも頑張ります! (2017年2月14日 20時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
天さん - う、上から目線で失礼しましたぁああッ!! (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - スランプ大変ですよね…文章とか読みやすくて好きです!頑張ってください(*´ω`*)ちなみに、私はスランプの時は曲を聞いてます。曲聞いてるとネタがポンポン出てきますので…!これからも応援してます(´˘`*) (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年9月4日 20時