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(59)幸せであるように ページ18

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「如何いうつもりだ貴様!!!」



慌ててAが落ちた先を見ると其処には数人の男女が居て、Aは赤髪の男にしっかりと抱えられていた。

Aが"其方の人間"だった事に気付いた国木田は、驚きを隠せずにいる。



「行こう。事件は解決した」

「巫山戯るな!何故貴様は何時も!!」

「此れで良かったのだよ、国木田君」



国木田は太宰の矯正な顔立ちに淋しさを見た。
然し其処には何かを懐かしむような、優しい色も含まれている。




「そう、良かったのだ…全て」



決して叶わなくはなかったものだった。昔は。

だけど離れた2年間はもう返らない。
自分で選んだ選択だけど、其れでも辛かった。

彼の為に流した涙と、彼女の為に流した涙があった。

彼の頃は、目を閉じれば2人の内何方が瞼の裏に浮かんだものだ。


織田作之助が映り、消え、AAが映り、消えた。
(無論それぞれに向けた想いは別のモノだが)


幾ら忘れようとしても忘れられないくらい、毎夜彼女を想っていた。

らしくないと思われても構わない。
止めても止まらないくらい溢れていたのだ。



「愛しているよ。
暗号なんかじゃない、本当の気持ちだ。
私は確かに君が好きだった…大好きだったよ、A。

けど今君が必要としてるのはきっと私じゃない。
悔しいけれど…彼奴の方が君の事を知っていて、
君の幸せを知っている。

だから私は少し恰好をつけて、一歩引いてみるよ」




零れそうになる其の想いを心の中に押し留め、代わりに一言だけ呟いた。




「若い頃は、誰しも素直になれないものだよね」


「…は?何を云っているんだ?」


「フフッ…国木田くんも、想い人には素直にね」


「はぁ…莫迦な事を云うな。早く帰るぞ。社長に報告だ」



急にすっきりした表情を見せる太宰に眉を寄せた国木田だが、気にしても仕方ないと思ったのか、また前を向いて歩き始めた。


次会うのが何時になるかは判らないけど、其の時も彼女が幸せでありますように。


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ヤマダノオロチ(プロフ) - Yuukiさん» ありがとうございます!やっと構想がまとまってきました。これからもよろしくお願い致します! (2017年2月18日 23時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
Yuuki(プロフ) - とても面白かったです!スランプで大変だと思いますが、これからも頑張ってください!応援してます!! (2017年2月18日 23時) (レス) id: 3720d37733 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 天さんさん» コメントありがとうございます!上から目線だなんてそんな事無いですよ!?お褒めに預かり光栄です(>_<)最近はラブソングばっか聴いてて、主と中也くっつけたい〜とか考えてます(笑)これからも頑張ります! (2017年2月14日 20時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
天さん - う、上から目線で失礼しましたぁああッ!! (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
天さん - スランプ大変ですよね…文章とか読みやすくて好きです!頑張ってください(*´ω`*)ちなみに、私はスランプの時は曲を聞いてます。曲聞いてるとネタがポンポン出てきますので…!これからも応援してます(´˘`*) (2017年2月14日 19時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年9月4日 20時

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