きっと其の五十二 ページ2
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「それで、具体的にどんな感じだったんだ？異能は」
温かい緑茶＿＿先程幹部直々に淹れてくれた＿＿を啜っていると、中原幹部が尋ねてくる。因みに彼が持っているカップには珈琲が入っている。
「いつものように、鏡へ敵を引き込みました。そこでいつもなら女王が敵の首を
"首を刎ねる"という言葉に幹部の表情が少し強張る。まァ、最近は物理的に首を刎ねるなんて表現は遣わないしな…と思いながらAは続けた。
「然しどうしてか、先刻の女王は敵に目もくれず私を抱きしめました。そしたら目の前が真っ暗になって……という所で意識が飛びました」
「そりゃまた意味の判らねえ話だな」
「はい…自分でも判らなくて。只、女王は何度も何度も私の名前を呼ぶから、其処に何か解決の糸口があればと思うンですが……」
「ほぉ…手前、過去に何か
柵か……とAは少し考えた。
真っ先に浮かんだのは3年前に死んだ母のことだが、そこまで引き摺っているつもりはない。
首領に拾ってもらい、マフィアへ入ってからも厳しい訓練や仲間の死など辛い経験が少なかったわけではないが、柵と呼ぶほどのものはなかった。
「その顔だと思い当たるものは何も無さそうだな」
「……暫くは、異能を遣わない方が良いのでしょうか」
「異能の制御にも個人差がありすぎるからな。探偵社の人虎や鏡花だって、あの社長の異能で制御が利くようになった節もあるみてェだし……特に手前の異能は空間系だから鍛錬も何もできねェし……あーー難しいなァおい！」
「すみません……」
中原に申し訳なく思うも、ここまで真剣に考えてくれることを嬉しく感じる自分が居てAは唇を噛む。
確かに、物理系の異能力だったら対人で幾らでも鍛えられた。然し、鏡の国に敵を隔離する私の異能力では私自身はチェス駒たちを指揮するだけで直接敵に攻撃するわけではないので鍛え方が判らない。方法があるのかすら不明だ。
「まあ、一時的な暴走かもしれねェしな。深く考えすぎるなよ」
ぽん。と頭に置かれた手から、まるで何か不思議なパワーでも送られているみたいだ。
さっきよりも一寸だけ、気持ちが軽くなった。
「はい、ありがとうございます」
「じゃあまた休み明けな」とAに3日間の休暇を与えて、中原は医務室を後にした。
それからとある場所に向けて歩き出す。
＿＿＿＿＿＿其処は地下の拘留場だった。
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ヤマダノオロチ(プロフ) - カンナさん» ちょっと……涙が出そうです……ありがとうございます。お待たせしました(> <) (2020年6月16日 19時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 初コメ失礼します。更新楽しみにしていました。おかえりなさい(*´ω`*) (2020年6月16日 18時) (レス) id: 5ade983ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年5月11日 13時
