きっと其の五十一 ページ1
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真っ暗な闇の中に居た。
女王は私を抱いた侭ずっと泣いていた。
「何で、泣いているの……？」
「…………」女王は何も応えない。
只々啜り泣く声だけが鼓膜を支配していく。其処に突如、違う声が飛び込んできた。
「………A！！」
ハッとして目覚めると、其処には中原幹部が居た。
寝起きの掠れ声でその名を呼ぶと、彼は安心したように息を吐いた。
「酷く魘されてたぞ。さっき医療班が診てくれてたが、どっか悪い所でもあるか？」
「いえ、大丈夫で……っ」
「お、おい、本当に大丈夫かよ？」
幹部の焦った声。
私が急に泣き出したからだ。自分でも何故か判らない。けれど不思議なくらい涙は止まらなかった。
それを伝えようにも、嗚咽が邪魔をして喋れない。
そんな様子の私を見て、幹部は優しく背中を
「ご迷惑かけてすみません、幹部」
「迷惑なんかじゃねえよ。2週間、よくやってくれた」
「……でも、結果的に先手を打たれました……ごめんなさい」
思い出して俯く。
真逆、ブラッディシープが早々にシルク運搬を裏切るとは思ってもいなかった。
結果、彼等の作戦に呑まれ、挙げ句の果てには自分の異能にも呑まれ。
潜入捜査員として最低の結果だ。
「……あーーー、ったく、オイ！いい加減その辛気臭い顔やめろ！」
焦れたように幹部が云った。
私が驚いて目を丸くすると、ムニッと頬を摘まれる。
「
「あいたっ」
頬から手が離れたと思えば、次に襲ってきたのはデコピンだった。痛い。
幹部は荒くなった息を整えて、更にこう云った。
「お前が無事で良かった。それでいいンだよ」
鼻の奥がツンとした。嗚呼、何でこの人は。
「ありがとう、ございます」
「よし、じゃあ口開けろ」
「……えっ？」
「早く」
急かされるまま口を開くと
甘さと幸福感が口の中を支配していき、自然と口角が上がった。
「はぁ…やっと笑ったな、手前」
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ヤマダノオロチ(プロフ) - カンナさん» ちょっと……涙が出そうです……ありがとうございます。お待たせしました(> <) (2020年6月16日 19時) (
レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 初コメ失礼します。更新楽しみにしていました。おかえりなさい(*´ω`*) (2020年6月16日 18時) (レス) id: 5ade983ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆのみ | 作成日時：2019年5月11日 13時
