重力、夢中力【文豪ストレイドッグス】【中原中也】

(5)傍から見れば ページ7

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男たちを始末した後、廃倉庫街を抜けて本部へ戻った。

今いるのは救護室。




『痛い。染みる。すごく染みてる』


「もう少しご辛抱を…」


弾丸が掠った左腕を放っておこうとした所、たまたま通りかかった広津さんに気づかれ連行された。

丁寧に手当してくれているのだが、消毒液が物凄く傷口に染みる。


薄いガーゼを当てて包帯が巻かれていく。

何か…どっかの青鯖みたいで少し嫌気がさしてきた((



「はい、できましたよ」


『おー、ありがとう』


「お大事に」


もう何かアレよね。優しすぎて泣けてくる。

救護室を出ると、立っているのは中也。


『お疲れー。疲れすぎて過労死したかと思ってたのに』

「手前の方こそ、左腕の出血多量であの世逝きかと思ってたぜ」


2人の間に火花が散った。

これからシャワーなのか、中也の腕には耐水性の袋がぶら下がっており、いつもの帽子は被られていなかった。


「包帯なんか巻いて、太宰のコスプレでも始めたのか？」


裂けたままのシャツから見え隠れしている左腕を見て言われた。


『あれれ〜？本体がお留守なようだけれど大丈夫？』

「帽子が本体じゃねェよ！」


負けじと言い返してやれば、これまたいい反応が返ってくる。

へっ、莫ー迦ばーか←


「ハハハッ。仲が良いようでいいですな」


救護室から広津さんが笑いながら出てきた。


『「誰が仲良しですか/なんだ!!!」』


「新しいコンビも安心です」


中也が広津に抗議の目を向けるが、諦めたようで私の方に向き直った。


『これからシャワーなンでしょ。早く行けよ莫迦』

「云われなくても行くわ。手前もさっさと浴びて寝ろカス！」


そう捨て台詞を吐いて去っていった。


『お気遣いありがとうございますね！消えろ！』


「……(やはり仲良しであるな)」

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