(30)仲直り ページ33
・
またすれ違った。
くだらない小競り合いは日課のようにしているが、ここまでの喧嘩は何度やっても慣れない。
それに、そういう事があった日は全くと言っていいほど仕事が捗らないのだ。
書類を片付ける気にもなれず、適当に港を歩いていた。
「チッ。ったく、次は何だってンだよ…!」
イライラする。
憎たらしいし、莫迦だし、全然女らしくない如何しようもない奴だが…
そんな彼奴が苦しむ顔を見るのは、気分が悪い。
何故だかは自分でもわからないが、例えるならこう…心臓に釘を刺される感じで…辛い。
「まだ…手前は俺を信じきってねェのか…?」
「彼女と喧嘩でもしたか
「!?」
背後から突然現れた気配。
まるで今この瞬間に違う空間から出てきたような…
否…そうなのか。
「マフィアの幹部が独りでこんな所
「其ら此方の台詞だ腐れ海賊」
此奴は前に武器の取引をした
今時海賊なんてフィクションの中だけだと思ったが違うようだ。
「俺に何の用が有る…手前が此の前口説いてた莫迦は居ねェぞ」
「oh…それは残念だ」
男がそう云った瞬間、後ろから外套を掴まれて引っ張り込まれた。
気が付くと
空間系の異能か…
少しでも触れられれば如何にかなるものの、手が拘束されていては始まらない。
どうすりゃいいンだ之…
『はろーえぶりわーーーん』
突然上から降ってきた声。
聞き覚えが有りすぎて笑えてくる。
…下っ手糞な英語。
「ンンー?ドワフッッ」
「ぅあっぶねェな莫迦野郎!!!」
海賊野郎の顔面を踏んづけて着地したのはAだ。
危うく俺まで巻き込まれる所だった。
『何で執務室に居ないのよ!』
「あ"あ?! 手前がキレて出てくからだろ!」
『…それは…ごm「オイオイオイ、」
ヤベェ、野郎が…
『黙ってなさいこのクレイジーパイレーツ』
「んなっ?!…うわぁぁあああ!!!」
Aが睨むと、男は顔に手を当てて踠きだした。
此奴の顔に恨みでもあるのかAは。
『…さっきはごめんなさい。私情だから話し難かったの』
「なら初めから…いや、俺もしつこくしちまって悪かった」
こうして俺らは仲直り(?)できたのだった。
「…所で手前、今どんな夢見せてる」
『顔面が溶け落ちる夢』
「」
284人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヤマダノオロチ(プロフ) - ありがとうございます!目指せシックスパックです← 更新頑張ります! (2016年8月7日 19時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 『氏ね』の一言を遠回しに言ってる、その内容で爆笑して腹筋が痛いです(これで割れるかな←) 訳:面白いです。これからも頑張ってください。 (2016年8月7日 17時) (レス) id: b2f7131e28 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - 雪凛 さん» はじめまして!コメントありがとうございます。共感してくださって嬉しいです(笑)頑張ります! (2016年6月9日 17時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
雪凛 - はじめまして!中也いいですよねぇ!かっこいいですよねぇ!もう、いろいろやばい…←とてもおもしろいです!これからも、頑張ってください! (2016年6月9日 16時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダノオロチ(プロフ) - わたがしちゃんさん» 同士様ですか…!ありがとうございます。頑張ります! (2016年6月5日 22時) (レス) id: b2832ff97e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヤマダノオロチ | 作成日時:2016年6月1日 0時