重力、夢中力【文豪ストレイドッグス】【中原中也】

(13)作戦 ページ15

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『ごちそーさまでした』

「お粗末さんでした」


お腹を減らしていた私たちはミートソーススパゲティを１皿あっという間に食べ終えた。

空になった皿を流しに持って行く途中で先程中也が身に着けていたエプロンが目に入り、また吹きそうになる。


『じゃ、作戦会議しましょーかね』

「おう」


中也は短い返事をして、テーブルにひじをついた。
其の向かい側に座り、鞄から取り出したファイル内の書類を机に広げた。


『之が今回の司令。事の始まりは先週の金曜日、組織のPCに届いたメール。2人タッグでの初任務をした日だよ』

え？判りにくい？
何云ってンのさ、チェックメイトした日だよ←

メールの内容はこう、

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此の度は御社様に取引を持ち掛けたく、御連絡した所存。
２週間後の金曜日、御社でも有力な者を相模湾沿岸の密輸倉庫へ派遣していただきたく願う。

尚、誠に勝手ながら、取引内容は当日に上記場所で直接ご相談させていただけるよう申す。

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「…ンだぁ？この下手糞な文面。人質にでも取る気満々じゃねェか」

『其の取引に首領は私たちを指名した。…と、まァ此処までは表向きな話』


「こんな話、端から受ける気さらさらねェンだろ。首領は」


『そもそもこの組織はマフィアに敵対していたから、この機会に纏めて潰す算段だろうね』


中也が頬杖をつく肘を右から左に代えた。



『この組織は人数もそこそこ居る。それなのに首領は私ら2人だけ着任させた。わざわざアンタの汚濁を遣わざるを得ない状況にしてる』


「……」


『先ずはいつも通り奇襲でもかけようと思った』


「…そうだな。遣わねェのが１番だ」


難しい顔をした中也が頷く。

眉間には軽くだが皺が寄っていた。



「俺が汚濁を遣ったら、手前は如何する心算でいる？」


『"夢変換(むへんかん)"を遣う』


「…その後は」


『黒蜥蜴に迎えを頼んでる』


「ハッ…共倒れする気満々かよ」


『世の中平等思想が広がってるからね』



阿呆、と中也が笑った。

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