115 ページ15
syoppi side
生まれた頃から
いや生まれる前から自分の前世の記憶を持っていた
それに気がついたのは2回目の世界の幼い頃
自分の脳にずっと残っている何かがどうも心の中で引っ掛かっていた
その記憶は1から100まで、自分が生まれてから死ぬまで全部の記憶
皆に話して信じてもらえるような記憶では無い
そもそも話をしても皆笑っているだけで、俺の話を聞くことなんて無かった
そりゃそうだ
急に「前世の記憶がある」なんて言い出す奴がいれば俺だって引く
虚しい気持ちのまま、1回目の世界で俺は呆気なく交通事故で死んだ
2回目の世界では、俺の周りに知っている顔が揃っていた
ただ一人俺にとっても皆にとっても大切な人がいなかった
前世の記憶
そして1回目の世界の記憶……全部が頭に残っていて
それでもやっと話せる、やっと気持ちが楽になると思っていたんだ
けれど彼等は口を揃え
はじめまして。から始まった
その瞬間にガラガラと崩れていく世界
仲間の中でも話しやすいコネシマさんになら話せると思って
自分の前世
ここにいない大好きで大切な女の人の話をしようとすると、彼の表情が険しくなり挙句の果てにはぶっ倒れた
申し訳なさと、どうしようも無い気持ちが俺を襲った
その世界の俺はコネシマさんが倒れた数日後通り魔に刺され死んだ
3回目の世界
合計3つの記憶が頭に残る
息が苦しくて
どれが本物か分からなってきた
今回もコネシマさんを含めた全員存在していた
ただやはり彼女だけは見つからなかった
皆は平然といないのが普通だという顔をしていて
心は冷めてきていた
だから今回は誰にも言わず、俺だけの妄想だと思いながら過ごすことに決めた
誰にも悟られず
誰にも迷惑をかけず
普通に接して
普通に会話をして
普通に時間は過ぎる
心に穴が空いた感覚になっていたが次第にそれは慣れていった
だがそんな日常が一瞬にして変わる
いつもの教室
眠たくなる午後授業
どうでもいい文化祭の出し物を決めていて、みんな席を立ちガヤガヤと賑やかで
頬杖を付きぼんやりと外を眺めていて、ふと視線を室内へ移した時
視線の先で腰を屈めてクラスの中へ紛れ込んできた女の姿が見えた
制服からして2.3年かな…
なんて思って見ていたが、下ろした髪の毛も、何かから逃げようとしている真剣な顔も、何処にでもいる女と同じく見えたはずなのに
気がついてしまった
もう居ないと思っていた
探していた
会いたかった
守りたかった
大切な……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 662人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フューラー - ペチュニアってブラジルの言葉では《たばこ》って言う意味…エモエモやん (2020年5月16日 19時) (
レス) id: 141378911c (このIDを非表示/違反報告)
落ち葉 - お願いします! (2019年12月1日 19時) (レス) id: cde8734165 (このIDを非表示/違反報告)
はちまる(プロフ) - 落ち葉さん» コメントありがとうございます！全員パターンも考えていますがとりあえず完結を目標に目指してきたいとおもっておりますので、ご了承ください！よろしくお願いします！ (2019年12月1日 19時) (レス) id: 1addced01b (このIDを非表示/違反報告)
落ち葉 - オチが未定なのでしたら、全員のパターンを作ってくれないですか? (2019年12月1日 15時) (レス) id: cde8734165 (このIDを非表示/違反報告)
はちまる(プロフ) - aityandao824さん» コメントありがとうございます、本日中に作成するのでもう少しお待ちください！よろしくお願いします！ (2019年12月1日 9時) (レス) id: 1addced01b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
