愛のない世界【T】

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次の撮影の日





監督の誕生日プレゼントを私達からと言って渡す

とても喜んでくれて、買いによかったなと思った






「な？俺のセンスよかっただろ？」




『は？私のセンスだけど』







なんてコソコソ言い合う





彼のことは嫌いじゃない

だけど、どうしても仕事仲間としか思えない

彼にときめくことは……

100%ないとは言いきれない

だけど、彼を好きになることは100%ないだろう







「ってか、Aちゃんは誕生日いつ？非公開だよね？」






『名前で呼ばないでって言ったよね？
……誕生日は知らない』





「ごめんごめん笑 どーゆー意味？」





『……関係ないでしょ』





「って、えっ、ちょ……」








正直、触れて欲しくない話題だった

多分冬生まれなことは確かなんだけど
親から誕生日を祝われたこともないし
私が知るわけがない

まぁ、母子手帳見れば分かることなんだろうけど
今まで知ろうともしなかった

っていうか、母親が母子手帳を
持っているかも定かではないけれど







「今日の夜の撮影、天気が怪しいので
延期でお願いします」






……

ってことは暇になってしまった

裕太に連絡するか……？

結局、裕太にやっぱり暇になったことを連絡する

すると彼から送られてきたのはとある住所

……こんなとこにホテルなんてあったっけ？

とりあえず、この場所に向かうことに







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着いた先は……

マンション？？

しかもかなり高級そう……







Prrrrr……








「……着いた？」





『うん、ってかここどこ？』




「俺んち」




『……は？なんで？』




「……別にいいだろ……ｺﾞﾎｯ」





『……ねぇ、もしかして風邪ひい…』




「ロック解除するから25階の1号室ね」




『あっ、ちょ』






ﾌﾞﾁｯ








なんで彼の家？

２年付き合ってきてお互いの家に踏み込んだことは一度だってない

しかも……

変な咳してた

絶対、風邪ひいてるでしょ？





とりあえず、言われた通りの部屋まで行き
部屋のドアを握ると鍵が空いていた








『……おじゃましまーす』









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