視線 ページ6
Aside
私はエルヴィンの服に着替えながら考えた。
さっきの服を渡す時のエルヴィンの笑顔とそれを見ている皆の悔しそうな顔。
一体何なんだ？
あ、皆はエルヴィンが好きなのか！
だから私が着るのが悔しいと。
だがそれだとゲイが多すぎるような…
まあいい。
だがエルヴィンの笑顔はなんなんだ？
あぁ、皆に嫉妬して欲しいんだな。
趣味の悪い奴だな。
そうこうしているうちに着替え終わった。
着替えるのも一苦労で嫌になる。
長い間眠っていたおかげでだいぶ治るのが早かったようだが完全ではない。
しかしなんとか退院の許可をこじつけてから部屋を出て皆の元へと向かった。
皆は退院に反対してきやがった。
それほどまでに私を縛りたいのか。
しかし私は言うことを聞かずに松葉杖をついて食堂へ向かった。
「A副兵長、何が食べたいですか？」
エレンが聞いてきた。
そのぐらい自分でできるから断ろうとしたが、エレンは勝手に取り分けていた。
そして私は仏頂面で夕食を食べていた。
「A副兵長。セロリ嫌いなんですか？」
ジャンがニヤニヤしながら聞いてきた。
何が面白いんだ？
「そうだが、悪いか」
ジャンはさらにニヤニヤして言ってきやがった。
「副兵長様にも嫌いなものがあったとは…人間離れしているのでなんでも食べると思っていました」
ジャンが嫌味っぽく言ってきやがった。
「黙れ。馬面。お前も人間じゃなく馬だろう。人のことを言うな馬野郎」
ジャンは眉間にしわを寄せて助けを求めるようにハンジの方を向いた。
無駄なことを。
「私に助けて欲しいなら諦めな。Aと争わない方が身のためだから」
ジャンは少し怯えたような目でこっちを見てきた。
クソ、変なこと吹き込みやがって、クソメガネが。
それにしての視線が痛いな。
エルヴィンと私の間を行き来してる奴が多いが。
皆もエルヴィンが好きなのか。
まあ私の知ったことじゃないな。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年6月4日 23時
