壁外調査 ページ35
Aside
壁外調査当日。
私たちは壁の外にいた。
チビとは一応和解していた。
私は今、ジャックとチビの前で一番先頭を走っている。
ジャックは初めてだから少し心配だが、エルヴィンが後ろにいて守ると約束してくれた。
走っているうちに巨人が何体か現れた。
馬を任せ、削ぎにかかる。
いつもの快感だ。
血しぶきを浴びた時の気持ち良さ。
不潔だが、殺したことが気持ちいい。
私は狂っているかもしれない。
だが今は巨人との戦闘だ。
私の目は血のように赤くギラギラ輝いていることだろう。
それほど興奮している。
しかしそれもつかの間、巨人、しかも奇行種が大量に押し寄せてきた。
皆が戦闘に入る。
喰われている奴もいる。
それはお構いなしに削ぎ続ける。
今の所この班は無事のはずだ。
しばらく進むと巨人と戦っている間にだいぶ抜かされた。
巨人を削ぎつつ、スピードを上げる。
少し下を見て、私は目を疑った。
ジャックの血だらけの頭部が落ちていた。
近くに巨人がいたからそいつが喰ったのだろう。
私は頭の中で何かが切れる音がした気がした。
何かのストッパーが外れたような。
私はあえて急所を狙わず、その巨人を最大限に苦しめるよう攻撃した。
「ああぁぁぁ！よくも！ジャックを！」
私は叫びながら攻撃し続けた。
私は返り血だらけだった。
そしてとどめを刺す。
巨人の血が蒸発していく。
エルヴィンが守ると言っただろう？
なぜだ？
私の幼い頃、たった1人の味方だった。
彼は強かった。
なのになぜ？
私はエルヴィンに対する怒りが湧き上がるのを感じた。
見つけたら殺してやる。
奴が殺したも同然だ。
ジャックを見捨てたんだ。
殺してやる。
最大限に苦しめてから殺してやる。
その時、エルヴィンがこちらの方に来た。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年6月4日 23時
