口喧嘩 ページ34
リヴァイside
ある日、調査兵団に新しく入団する奴がいると聞いた。
今日はそいつが来る日だ。
実力はそこそこらしい。
俺と同い年らしい。
「彼が今から調査兵団に入団する。自己紹介を頼む」
エルヴィンが言うと男が前に出た。
あいつは…
「皆さん、こんにちは。ジャック・クロスフォードです。ご存知の通り貴族ですが、入団することになりました。しばらくは僕の知り合いがいるリヴァイ班に入ります」
そう言ったすぐ後、Aにジャックが抱きついた。
「キャス、会いたかった。君と同じ班になれて嬉しいよ」
Aも抱きかえし、言った。
「私も嬉しいわ。これからはよろしくね？」
Aが女口調になっていることに皆が驚愕した。
前のように訳のわからない言語ではないだけましだったが。
もしかしてAはあいつが好きなのか？
「まあ、そういうことだ。よろしく頼む」
しばらくして復活したエルヴィンが言った。
そしてジャックを混ぜた初めての訓練。
1ヶ月後には壁外調査が控えている。
もちろんジャックも参加する。
「これから訓練を始める。今日は誰が一番多く偽物の巨人を削げるかだ。制限時間は3分。俺も参加する。手を抜くな。では、始め！」
俺が言うと皆が動き出す。
皆割と上達してきたがまだまだだ。
ジャックもなかなか上手かった。
3分が経過すると皆はヘトヘトになって戻ってきたが、Aは涼しい顔だった。
「結果を発表する。一位、A。二位、俺。三位、ミカサ。四位、ジャック。五位、エレン。同じく五位、ジャン。七位、アルミン。だ。ジャックは初めてにしてはよく頑張った。今日は残りは自主練でいい」
俺はAを呼んだ。
「お前、本気出してないな？」
Aはフッと笑って言った。
「あぁ、出してない。何が悪い？」
挑発するような言い方だ。
「練習をちゃんとやらなければ本番で本気が出せるわけがないだろう。俺はお前のために言ってるんだ」
Aは鼻で笑って言った。
「確かにそうだな。だがお前よりも強いのは誰だ？現に人類最強だったお前をその座から蹴落としたのは誰だ？私だろ？確かにお前の方が総合討伐数は多い。だがそれは私が調査兵団に入る前にお前がもうすでに調査兵団に入っていたからだ。だからお前に指図される覚えはない」
そう言い放って行ってしまった。
確かにその通りだが。
俺は自主練をしているAを眺めていた。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年6月4日 23時
