鬼ごっこ ページ33
エルヴィンside
鬼ごっこが開始された。
というよりリアル鬼ごっこか。
立体起動で追いかける。
ブレードを使ってもいいことになっている。
しかし怪我はさせてはいけないという難しいルール付きだ。
私が30秒先に逃げ、その後からエレン、ミカサ、アルミン、ジャンが追う。
そのまた30秒後にリヴァイとAが追う。
鬼が極端に多いがそれもいいだろう。
もうそろそろ4人が出発したはずだ。
団長の威厳にかけても負けることはできまい。
少なくともリヴァイとA以外には。
しかしミカサ・アッカーマンもなかなか腕が立つと聞く。
油断できないな。
おそらくもう2人も出発しただろう。
ここからが本番か。
しばらくするとAが追ってきているのが見えた。
その少し後ろにリヴァイがいる。
早すぎると思った。
「エルヴィン、腕が落ちたんじゃないか？ここのところ書類仕事ばかりやっているからな」
Aが余裕そうに話しかけてきた。
私はスピードを上げた。
Aもスピードを上げる。
しかし本気は出していないようだ。
私はAが本気なところを見たことがない。
そのうちにAが追いつき、ブレードを構えた。
私も負けじとそうする。
私のブレードの片方が弾き飛ばされた。
拾おうとしたところをリヴァイがとる。
私はAをかわし、ブレードが交差する。
確か前にもこんなことがあった。
立場は逆だが、確かにリヴァイやAと会った時もこうだった。
Aを捕まえるのは一苦労だった。
しかし今はもう捕まえることなどできまい。
現に今、私はAに捕まっている。
「エルヴィン、あっけなかったな。そこまで弱いとは。巨人に喰われるぞ？」
Aが言う。
確かにここまで簡単に捕まるとは思っていなかった。
「あぁ、完敗だ。ところで残りの4人はどこにいる？」
その時、ミカサが到着し、他の面々も到着した。
「お前ら、おせーぞ。俺たちについても来られなかったとは」
リヴァイが言ったが当然だろう。
一年目の新兵が人類最強に追いつけるはずがない。
「まぁ私の負けだ。今度はAを追いかけるといい。さらに早いぞ。まあリヴァイが先の方がいいか」
私はそう言って皆を個人練習に入らせた。
Aは偽の巨人のうなじを削いでいる。
相変わらずすごい威力だった。
5、6体壊してしまい、直していた。
なんだかその姿がとても可愛く思えた。
自分のものにしたい。
そう強く思った。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年6月4日 23時
