復讐 ページ23
Aside
私は部屋に通された。
そこには私が小さい頃に私をいじめた貴族どもが揃っていた。
「よう。白髪野郎。まだ30代なのになんで白髪なんだよ?」
リーダー格の奴が言った。
貴族のくせに口が悪い。
「エルヴィン、外してもらえるか?少しこいつらと話がしたい」
エルヴィンは戸惑いながらも出て行く。
「私は調査兵団副兵長、A・スターライトもしくはA・アッカーマンです。元憲兵団兵長、元駐屯兵団兵長です。私はあなた方と同じ貴族です。しかし私はあなた方よりも上の階級です。私に楯つくことはできないはずです。それに私は知っています。あなた方が私をいじめていたのはもちろん、私の両親と手を組んで私を殺そうとしていたことも、その後に私の両親も殺そうとしていたことを。私たち一族を消して自分が頂点に立つ。卑怯ですね。人のことを言える立場にはありませんが。まあとにかく、私はこれで」
私が一気にこれを言うと、1人が言った。
「今度こそ殺してやろう」
それを合図に飛びかかってきた。
ナイフを持った1人が私の髪をナイフでかすめていった。
腰まであった白銀の髪が切れる。
私は他の奴らも含めて気絶する程度の技を食らわした。
少し、いや、かなり物足りないが、あまりやるとバレる。
おそらく記憶はなくなったはずだ。
「ちょろいな。人類最強をなめるな」
私は部屋を出た。
10センチほど短くなってしまった髪を見る。
長さが不揃いで、いい印象は与えられない。
ちゃんとよければ切れなかったはずなのに。
油断しすぎか。
貴族だからと言って。
「A、話は終わったのかい?その髪は…」
エルヴィンが言った。
「ちょっとな。長さ揃えてくれないか?美容室に行ってもいいが、こんな状態で行きたくない」
エルヴィンが戸惑いながらも頷いた。
部屋とハサミを借りてエルヴィンが私の髪を切る。
髪は胸の下あたりで切りそろえられた。
「ありがとう、エルヴィン。助かった」
私はお礼にエルヴィンの頰にキスを落とした。
「いや、礼には及ばない」
エルヴィンが少し照れながら言った。
結構可愛いとこあるじゃないかと思った。
まあおっさんだが。
そして私たちは調査兵団の本部へと帰った。
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作者名:カシオペア | 作成日時:2017年6月4日 23時