偽りの人生 1 リヴァイ兵長夢 (ページ20)

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口調ページ20

リヴァイside

「そんなこと言われたって何言っていいか分からないじゃない！それに口調を戻して一体何になるって言うのよ！」

Aの口調は普通だった。

まあ少しお嬢様っぽいところがあるが、あいつの生まれからして当然だろう。

それよりも、あいつが天使すぎて倒れそうだ。

俺がこんなことになるなんて恋って怖いな。

「可愛いぃー！ヤバいよ！天使だ！性格は悪魔だけど、天使だ！」

クソメガネが叫んだ。

そこにAの蹴りが入る。

「黙れ。何が天使だ。悪魔で結構」

Aの口調は悪くなっていた。

可愛かったのに。

他の皆も残念そうな顔をしている。

「いいか、私は明日ウォールシーナ内の憲兵団本部に行く。そして自分のことを明かす。しかし王宮に戻るつもりはない。巨人を殺す方が楽しいからな」

そう言ってAはニヤリと笑った。

それはいつもの口角を上げるだけのものではなく、ちゃんと笑っているように見えた。

しかしそれは被害者にとっては怖いことで…

「ちょっと待ってくださいA副兵長！そんなことしないでください！捕まるに決まってます！」

エレンが叫んだ。

Aはまたニヤリと笑った。

その目は赤みがかっていた。

「私が憲兵団の奴らに捕まると思ってんのか？そんなにとろいと思うのか？そんなことしようものなら殺してやる。それに私は何もされなくてもあいつらをただじゃおかない。せいぜい覚悟しておけ、憲兵団の馬鹿ども」

Aの目は完全な赤で、血のような色だった。

その場にいた皆は震え上がった。

「あ、まずい。えーと、私はその…」

Aは一生懸命取り繕っているが、何にもなっていない。

しかしその姿が可愛くてしょうがない。

「私を蔑んだ奴らを殺すか、其れ相応の対価を支払ってもらおうとしているだけだ。…あ」

Aはまた残酷なことを言ったことに気づいたらしく、焦っている。

「まあいいだろう。何をしようとお前の勝手だ。捕まっても知らんが。自業自得だ。まあお前がどれだけの差別を受けたかは知らないが、まあ悪くないんじゃないか？」

俺が言うと、Aはこちらを向いた。

「ありがとう。私は誰になんと言われようとやるわ。何年も前から決めてたもの。いつかは堂々と戻るって。あなたたちに話したおかげで少し楽になったわ。ありがとう」

Aは満面の笑みで言った。

口調もちゃんとしていて、天使のようだ。

皆は泣いたり、気絶しているものもいた。