姿 ページ14
NOside
「私、A・メンダシウムは…A・メンダシウムじゃない」
「「「「「「「は？」」」」」」」
その場にいたA以外の皆は声を上げた。
「最初に言っておく。私は自分で解決する。首を突っ込むなよ」
Aは間をとって話し出した。
「私の写真をどこかで見たことがあるはずだ。だが私の本当の姿はこれじゃない。人間だがな。私が誰だか分かったら言ってみろ」
Aはまず、濡れたタオルで顔を拭く。
するといつもの白い肌よりさらに白い肌があらわになった。
そしてピンクだった唇は逆に紅くなった。
そして次につけまつ毛をとる。
すると白銀のまつげが出てきた。
眉毛も同様だった。
そして目からカラーコンタクトを外す。
するとグレーだった目が紫になった。
黒かった瞳孔は銀になる。
そして髪を少し弄り、ウィッグを外す。
するともとは黒だったのにまつげや眉毛同様の白銀の髪があらわになる。
「どうだ？分かっただろ？驚いて物も言えないのか。情けない。で、分かったのか？」
固まっていた皆の中で一番早く復活したリヴァイが言う。
「A・スターライト」
Aは頷いた。
「そう。私はA・スターライト。逃げた最高貴族の女の子といった方が分かりやすいか？」
Aは古い貼り紙を取り出す。
そこにはAの5歳の頃の写真と、こう書いてあった。
『A・スターライトを見つけ、王宮まで連れてきたものには褒美を与える』
「私、20年以上逃げてるんだ。名前は変えず、名字を変えた。メンダシウムの意味は『嘘』だ。ラテン語でな。そして姿も変えた。私はアルビノだ。目立つだろ。だから肌の色も髪も目も変えた」
Aは自分の白銀の髪をいじる。
「私にはほとんど色素がない。あるのは肌と瞳孔だけだ。虹彩は血管の色だ。体調とか機嫌によって赤くなったり青くなったり紫になったりする。基本は紫だ。唇も血管が透けてるだけだ」
皆はAをまじまじと見つめる。
Aは皆が理解するのを待つ。
しばらくしてリヴァイが口を開く。
「話してくれ…お前の過去を…」
Aは頷いた。
「口を挟むな。質問は後だ」
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年6月4日 23時
