私とリヴァイの恋物語 1 【リヴァイ兵長】 (ページ45)

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服ページ45

ハンジside

Aの話が終わったところで、何気なく目をドアの方に向けると、Aのバッグがあった。

別にそれは驚くことでもないけど、私が驚いたのはその大きさ。

「ねぇ、A。あのバッグってここに持ってきた全部の荷物なの？」

私が聞くとAはバッグに目を向けた。

そして頷いた。

「うん。ていうか、あれ私の全部の荷物だよ。今は着てない服が入ってる袋に入れてきたから」

Aはバッグを引っ張ってきて中身を見せてくれた。

私はペトラと一緒に覗き込んだ。

すごい綺麗に整頓してある。

そういえば、今は着てない服ってなんだろう？

「A、今は着てない服って？着てみてよ」

私が言うとAは袋から何着か服を出した。

兵服ではないから、私服だろう。

Aはそれを広げてみせた。

「これ、私が地下街にいた時に着てたやつなの。いかにもゴロツキでしょ？」

確かに。

Aはそのうちの1着を着て見せてくれた。

なんか迫力が違う気がする。

「なんかすごいね。ゴロツキって感じ」

私が言うとAは鏡を見て首を傾げた。

「そう？私、この服で街に行ったりするけど。あ、でも確かに私が話しかけたりするとビクッとしてるかも。なんか道開けてもらえるし」

そりゃそうでしょ。

こんな格好はしてるし、Aは街でも結構有名だし。

「Aさんって他に私服、持ってないんですか？」

ペトラが聞くとAは頷いた。

「持ってないよ。スカートなんて、履いたことすらないしね」

あれ？

そういえばAはペトラには警戒心解いたんだ。

そんなことより、スカートを履いたことがないって？

「本当にないの？本当に？私ですらあるのに？」

私が聞くとAは苦笑いした。

するとペトラがすごい勢いで部屋を出て行ったかと思うと、すぐに戻ってきた。

手にはペトラのと思われる服。

「これ、私の服です。着てみてくださいよ。あ、ちゃんと洗濯してあるから大丈夫です」

Aは服を受け取って着替えた。

可愛い！

「やっぱりスカートって慣れないな…ひらひらして邪魔だよ。それに似合わないし」

私とペトラはすごい勢いで首を振った。

そんなことない！

「めっちゃ似合ってます！私よりも！すごく可愛いです！」

Aは鏡を見てまた首を傾げている。

「似合ってるって。今日はもうずっとその服ね」

私がそう言うとAは渋々座った。

なんか不貞腐れてても可愛く見えてくる。

リヴァイが羨ましい。