私とリヴァイの恋物語 1 【リヴァイ兵長】 (ページ2)

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出会いページ2

Aside

私はA。

名字は分からない。

両親に会ったことすらない。

地上に出たこともない。

太陽光を浴びたこともない。

地下街にはこんな人は山のようにいる。

私はその1人。

でも私はその地位に甘んじるつもりはない。

邪魔者を押しのけて、地上に這い上がってやる。

それは簡単なことではない。

お金を得るために人を殺す。

そんな事は日常茶飯事。

殺した仲間に追いかけられるのも、暴力を振るわれるのも。

地上に行ったらこんなことはないのかな？

今の私の世界はこの地下街。

ここでやっていくしかない。

なのに私は地下街のトップのゴロツキのようなやつに目をつけられてしまった。

まだ私は12歳。

手加減ぐらいしてくれると思っていた私が馬鹿だった。

散々暴力を振るわれ、やっと逃げ出した。

私は切れた頬から流れる血を拭った。

貧血になりそうだ。

建物の陰に隠れていると、物音がした。

私は重い体を動かして身構える。

現れたのはゴロツキではなく、私と同い年くらいの少年だった。

少年の目は私の傷から手に持っているナイフに移る。

「誰？」

私が聞くと少年はこちらを向いた。

「リヴァイ。お前は？」

答えてくれるとは思っていなかった。

「A。もしかしてゴロツキの仲間？」

少年、リヴァイは首を振る。

「お前、追われてるのか？」

答えようか迷った。

私を差し出すかもしれない。

しかし、なんだかリヴァイを信じたくなった。

「うん」

リヴァイは影から顔を出し、確認してから私に近づいてきた。

そして私のナイフを持っていない方の手を取る。

「来い」

リヴァイはそれだけ言って私の手を引いて歩き出した。

差し出すのかな？

でも、私はリヴァイを信じる。

しばらく歩いて、小さな建物についた。

ゴロツキの家？

それともリヴァイの家？

後者のようだ。

リヴァイは私を中に入れて座らせた。

そして手当てしてくれた。

ちょっと聞きたくなった。

「ありがとう。なんで私にこんなに優しいの？ゴロツキに差し出せば利益があったかもしれないのに」

リヴァイは目をそらした。

照れてるとか？

「ほっとけなかっただけだ」

やっぱり照れてるな。

私は立ち上がった。

これからどうしようか？

私に家はない。

「家がないならここに居ればいい。嫌ならいいが」

リヴァイが言った。

優しいな。

「ありがとう。じゃあお邪魔させてもらうね」

リヴァイは依然として目をそらしたままだった。