決定事項 ページ8
Aside
団長は改めて私に向き直った。
私は敬礼を忘れていたことに今更気付く。
私は右手を胸に当てた。
「失礼しました」
私は敬礼しながら言った。
エレンも今気づいたようで慌ててそうする。
団長は全く意に介していない風だった。
「いいよ。私が急に現れてびっくりしたんだ。仕方ない。それじゃあ、本題に入らせてもらう」
団長が真剣な顔になった。
説教かな？
「君はトロスト区での戦いで104期の中では討伐数が2位だった。しかし、君は訓練兵を10位以内で卒業しているわけではない。君は討伐数を偽っているのか？」
まさか。
確かに座学はかなり手を抜いたが。
私はエレンの背後から呟くように言った。
「偽ってません。でも座学の試験で手を抜きました」
団長は目を見開いた。
そして面白いものでも見るような目で私を見た。
「そうか。それでは立体機動はどうなっている？」
答えようがない。
私には分からないからだ。
しかし、エレンが助け舟を出してくれた。
「Aは大勢の人間にジロジロ見られている環境では本領発揮できなかったんじゃないでしょうか」
エレン、なかなか考えるな。
私はとりあえず小さく頷いておいた。
「分かった。私が君を呼んだのはそれを確認し、ある決定を伝えるためだ」
団長はそこで言葉を切る。
憲兵団に送られるとか？
「君をリヴァイ班、もしくはハンジ班、そしてここにはいないがミケ班のどれかに入れるつもりだ。君が好きなところに入ってくれ」
はい？
私はエレンの背後から少し顔を出した。
「なんでミカサじゃないんですか？」
普通、首席のミカサだろう。
なぜ私が？
「彼女より、君の方が柔軟性がある。そして彼女は時折感情に流されて行動する。君にはそれが少ないと聞く。だから君を選んだ」
私は確かに人より感情が乏しいからそういうことはないかもしれない。
でも柔軟性はないだろう。
「でも私が入っても足手まといになるだけです」
新兵が急に入っても邪魔なだけだろう。
その時、リヴァイ兵長がこちらを向いた。
「これは決定事項だ。早く班を決めろ」
そんな無茶な…
どんな班か分からないのに決めろと。
それに知っている人が誰もいないところでまたやっていかなければならないなんて…
誰か知り合いがいる班はないのかな？
せめてそこにしよう。
「同期の人がいる班でお願いします」
団長は頷いた。
「君は今日からリヴァイ班の班員だ」
そうか、エレンがいたんだ。
よかった。
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かなみ - 泣きました。とても良かったです！これからも頑張ってください！ (2019年5月3日 12時) (
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年8月7日 8時
