旧調査兵団本部 ページ11
Aside
私たちは旧調査兵団本部にいた。
ペトラさんから逃げ、掃除をさせようとするリヴァイ兵長から逃げ、今は近くの森の木の上。
私はそこで何時間も空を眺めていた。
この空はどこまでも続いている。
なのに地面は壁に阻まれる。
なんて窮屈な世界なんだろう。
巨人なんかなんでいるんだろう。
そうしたら壁なんていらないのに。
そんな風に考えているうちに時間は過ぎ、気づいたら夜だった。
まずいと思ってすぐに建物に入り、こっそり自分の部屋の入ろうとした。
夕食は後で盗めばいい。
「おい、お前はそこで何をしてる。掃除もサボりやがって。来い」
兵長が現れた。
まずい。
エレンがいないから隠れる場所がない。
私はどうすればいいのか分からず突っ立っていた。
すると兵長が舌打ちして私の服の襟をつかんだ。
とっさのことでバランスを崩し、背中をつけた状態で引きずられる羽目になった。
私、引きずられすぎな気がする。
「A！お前どこ行ってたんだよ！お前の分の掃除までやらされたんだぞ！」
私はエレンに手を合わせて口パクで謝った。
するとエレンはなぜか顔を真っ赤にした。
ペトラさんにぶっ叩かれている。
なんだ？
ていうか、首が痛い。
早く離してくれないかな…
その時、部屋のドアが開いた。
「リヴァイ班のみんな！来た…え？」
ハンジさんが私を見て口をつぐんだ。
確かに私は床に横たわった状態で兵長に襟を掴まれているんだから。
それにしても苦しい。
「リヴァイ、Aが苦しがってるよ！離してあげて！」
私は解放された。
でも手を離されて思い切り頭を打った。
痛い。
でも今回だけはハンジさんに感謝かな。
私は夕食を取ってきた。
しかし帰ってみるとそこにはエレンとなぜか目をギラギラさせているハンジさんしかいなかった。
「あ、A。巨人の話するんだけど、聞いてかない？」
ハンジさんに聞かれた。
そんな事に時間を割く余裕はない。
私はわずかに首を振って部屋を出ようとした。
「あ、そうそう。リヴァイから伝言。罰として明日、100周だって。それにしてもリヴァイの掃除から逃げるなんて、度胸あるね」
ハンジさんがニヤニヤしながら言った。
エレンはなぜか俯いている。
私はため息をついて部屋を出た。
100周なんてしたくないけど、サボると次は殺されかねないからやるか。
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かなみ - 泣きました。とても良かったです！これからも頑張ってください！ (2019年5月3日 12時) (
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年8月7日 8時
