諦める ページ8
Aside
私は皆の会話を聞いていた。
新兵たちの嘆く声も。
リヴァイとヅラヴィンの会話も。
途中でエレンが壁の上まで吹っ飛ばされた。
でもそれを聞いても、反応する気になれなかった。
私が何かしたら、守れた命があったんじゃないか?
そう考えると、後悔しか浮かばなくて、それしか考えられなくなる。
そんな時、リヴァイがヅラヴィンに言った。
「俺は選ぶぞ。夢を諦めて死んでくれ。新兵たちを地獄に導け。獣の巨人は俺とAで仕留める」
何言ってるの?
ヅラヴィンは死ぬ気なの?
冗談じゃない。
「ねぇ、もういいじゃん。もう諦めようよ。私は嫌だ。もう犠牲を出さなくてもいいでしょ?」
さっき議論してたことだってことは分かってる。
でも、嫌だ。
もう、苦しみたくない。
「お前は自分が苦しみたくないからとか思ってるんだろ?所詮自分のためだろ?死んだ仲間はどうなる?お前の自己中な考えで無駄にするのか?」
リヴァイは私を壁に押し付けて言った。
そう言うわけじゃない。
「私はもう犠牲を出したくないの。少しでも生存者を増やしたいの。私が囮になるから」
リヴァイは私の頭を叩いた。
結構痛い。
「目を覚ませ。もう諦めろ。獣の巨人を仕留めることだけ考えろ」
でも…
私は反論したい気持ちを抑えた。
私はとうの昔に決めたんだ。
リヴァイについていくって。
何があっても。
「わかった。最期だからさ。許して?」
私はヅラヴィン、もといエルヴィンに近づいた。
そして頰にキスして言った。
「今までありがとうございました。私を地下街から出してくれて、本当に嬉しいです。生意気な態度ばかり取ってすいませんでした。エルヴィン団長、本当にありがとうございました」
私はそう言って敬礼した。
エルヴィンは微笑んでくれた。
私は涙を堪えてリヴァイの方を向いた。
「ガスと刃を補充してくる」
私は補充し終え、戻ってくると、新兵たちは準備を終えていた。
リヴァイは私を待っていたようだ。
「俺たちだけ立体機動だ。お前は俺とは反対側から俺の動きに合わせて近づけ」
私は頷いて位置についた。
私が合図を送るとリヴァイは巨人に向かって飛び出した。
巨人を倒しながら進むってわけか。
私はリヴァイが出発してから少し後に進んだ。
巨人を削いで、削いで、削ぎまくる。
みんなが投石で死んでいくのが見える。
本当に、本当にごめんなさい。
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QOO - めっちゃ面白かったです!!来月から進撃のアニメ3期が始まりますね!!この作品で最後なのかと思うと寂しいですけれどまた戻ってきてくれた時には顔を出すのでこれからも頑張ってください!! (2018年6月25日 22時) (レス) id: 5adcb33c47 (このIDを非表示/違反報告)
カシオペア(プロフ) - ありがとうございます!すっごく嬉しいです!!ご期待に添えるよう、精一杯頑張ります!! (2017年11月3日 7時) (レス) id: 492a1da15b (このIDを非表示/違反報告)
ねこもふ(プロフ) - 素敵な作品ですね!これからも頑張ってください!応援してます! (2017年11月2日 23時) (レス) id: 38ad666408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カシオペア | 作成日時:2017年10月28日 8時