ストヘス区 ページ48
Aside
私は見張りが私がいないのに気づくのを待つ間、乱れた服を直し、立体機動装置を引き寄せた。
鞘の片方を手に持ち、他は装備した。
その時、ドアが開いた。
その瞬間、私は鞘を構えて殴りかかった。
見事に後頭部に直撃。
出血量から見て、多分死ぬな。
当然の報いだ。
私はその鞘を装備し、廊下を進んだ。
廊下には窓があり、ここが地上だということが分かった。
でも、ここはヤルケル区なんかじゃない。
もちろん、ユトピア区でもない。
ここは…
その時、後ろから布を当てられた。
二度も引っかかってしまった。
気がついた時、私は馬車の中にいた。
今、私はどこにいるんだろう。
さっき気づいた。
あそこはストヘス区だ。
女型の巨人の件で見た場所があった。
今は外が見えない。
あれからどのくらい経ったのだろうか。
幸いなことに、立体機動装置は装備したまま。
きっと私を捕らえた奴が間抜けだったんだ。
「まだ着かないのか」
誰かの声が聞こえた。
きっと馬車の前に乗ってるやつだ。
「あぁ。だが王都はそこまで遠くない」
王都？
私を早速売り払うのか。
私はなんとか外を見た。
その時に見えた。
調査兵が。
それはハンジとリヴァイだった。
私は見張りに気づかれないように身を起こした。
そしてなんとか二人にこちらを振り向かせることに成功した。
でもリヴァイたちは徒歩で、私は馬車。
私は去りゆく二人に向かって口パクでこう伝えた。
「ミットラス」
王都、だと分かりにくいかと思ったからこうした。
二人は理解できただろうか。
私はそう信じて、気絶したフリをした。
一人で抜け出せないなんて、情けない。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
