血痕 ページ16
ハンジside
私はエルヴィンのところに向かっていた。
でも、忘れ物をしたのに気がついて急いで戻った。
すると、酷く慌てた様子のミカサ通りかかった。
ミカサは私に気がついて戻ってきた。
「ハンジさん、Aさんが！」
私はミカサについて急いでAのところに向かった。
部屋に入ると、床には血痕があった。
Aはベッドに乗せられてはいたが、苦しげに呻いている。
「ちょうどいいところに来た、クソメガネ！Aをどうにかしてくれ！
リヴァイにそう言われて私はAに近づいた。
私はとっさに症状を見て判断した。
「みんな出て！リヴァイも！早く！」
私はみんなを追い出して、Aの処置に取り掛かった。
多分子宮から出血してる。
このままだと、子供は死ぬ。
なんとかして助けたい。
私は状態を見てみた。
ダメだ。
もう頭が見えてる。
小さすぎる。
でも、Aを救うためには…
「A！ごめん！」
私はそう言ってまだ未熟すぎる赤ん坊を取り上げた。
息をしていない上に心臓は動いてない。
もともとダメだったんだ。
私はそう自分に言い聞かせて、Aを落ち着かせた。
状況を話すと、少し顔を歪めた。
Aはすぐに起き上がった。
普通、こんなに動けない。
私の制止も聞かずに床についた血を拭いていた。
俯いているAの顔は見えないけど、床に赤くない、透明な液体が落ちた。
私はそっとしておこうと思い、部屋を出た。
「どうなんだ？Aは無事か？」
リヴァイは私のかたを掴んで揺さぶってきた。
焦りようが半端じゃない。
私が説明すると、リヴァイはホッとしたような、悲しいような表情を浮かべた。
そしてリヴァイはAの部屋に入っていった。
私はAが心配でたまらなかった。
でも、その気持ちを押し殺してエルヴィンのところへと向かった。
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作者名：カシオペア | 作成日時：2017年9月16日 8時
