私とオオカミくん４

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さっきの場所に戻った。



でも宏の姿はない。





「どこ行っちゃったんだろう・・」



周辺をうろうろ探し回る。







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「宏、・・どこ・・」




宏は、私と寺井くんを見て

どう思ったのだろうか。





きっと変な勘違いしちゃってるよね・・？




どうにかその誤解をとかないと・・









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「宏、・・」



どこに行っても見当たらないその姿。







仕方なく諦めようとしたとき、





「宏っ、・・！！」




自分の家に向かってる宏の姿を見つけた。








私の声に振り返った宏。






その顔からは

怒りと、悲しみと、

いろんな感情が読み取れた。









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そっと宏に近づいて、





「ごめん・・」




誤解させちゃってごめん。

そういう意味だったのに、









「・・なんで謝んだよ」



「えっ・・？」



「あいつとやましいことでもしたのかよ」



「ち、ちが・・っ、」








「またあいつにからかわれてんの？」






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『本気で木下さんが好きだ』


さっきの寺井くんを思い出す。






からかわれてる・・？




ううん、そうじゃない。









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「・・違う」



「は？」



「寺井くんは私のこと

　・・本気なの」







寺井くんは

私のことを本気で好きなの。





遊びじゃなくて・・本気で・・








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「・・んだよそれ」


今まで聞いたことのないような低い声。









「あいつが本気だったらいいのかよ」



「えっ・・？」



「本気だったらなにしてもいいわけ？」



「ちが・・っ、私は・・！」







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「もういい」



呆れたように、

私に背中を向けて歩き始めた宏。






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「ひ、宏だって・・」



私の声に一瞬、足を止めた宏。







「宏だって、女の子といたじゃん・・」



ふと思い出したあの女の子の存在。








「あのな、・・俺にだって付き合いってもんが・・」

「私も一緒だもん・・っ」



「あ？」



「私も宏と一緒だもん・・！！」




感情の赴くままにぶつけた言葉。








宏が付き合いでその子といたように

私も付き合いで寺井くんといたんだよ？








何で私ばっかり

責められなきゃいけないの・・？







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「・・話になんねぇな」



「えっ・・？」









「なんもわかってねぇよ、Aは」




それだけ言い捨てて、

また歩き出した宏。




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