私とオオカミくん４

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初めて寺井くんと

ちゃんとお話をしたけど、


話してみると意外に楽しくて

あっという間にクレープ屋さんの

近くまでやって来た。






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「そこ曲がったらすぐだよ」



「ほんとありがとうね」




クレープ何食べる？って

楽しく話をしながら

角を曲がった瞬間、









「えっ・・？」







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「A・・？」








クレープ屋さんの隣の

ゲーセンの前にいた







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宏・・と女の子。









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「お前、なにしてんの」



声のトーンから、明らかに

怒ってることが伝わってくる。






「なにって・・」


宏のほうこそ・・

何で女の子といるの？







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不機嫌な宏と、戸惑う私と。




嫌な空気が漂う。






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「私は、寺井くんを・・」



クレープ屋さんに案内しただけ。




そう伝えようと思ったのに







「Aちゃん、行こ」



突然、寺井くんに腕を掴まれて






「え、ちょっ・・！」


そのまま強引に

私を連れて行こうとする。






「ま、まって・・！」



いくら抵抗しても

寺井くんの力が強すぎて、




「Aっ、・・」



宏の私を呼ぶ声が

かすかに聞こえたけど、



それに応えることができないまま

その場を離れてしまった。









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しばらく進んだ後、




「ちょ、ちょっと・・！

　離してっ！！！！」




必死に力を振り絞って、

寺井くんの手を無理矢理離した。





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宏の誤解をとかなきゃ・・！





すぐに宏のもとに戻ろうとしたけど、








「待って」




腕をまた掴まれて、

そのままぎゅって、

後ろから抱きしめられた。







「や、め・・

「好きなんだ」





「えっ・・？」




「木下さんが好きなんだよ」





ぎゅーって、

さらに強く私を抱きしめる。




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どうして・・？





またからかってる・・？






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「どうせまた遊び・・

「遊びなんかじゃない」








「あの時はほんとにごめん。

　でも今の俺は本気なんだ」




「・・・・っ、」






「本気で木下さんが好きだ」







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そっと私の体を自分の方へ向けて、





「俺じゃ、だめかな・・」



そのまま私にキスをしようとする。







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「・・・やっ、！！」


慌てて、寺井くんの体を押し返した。







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「私には・・、宏しかいないの」



それだけ言い放って、

急いでその場を離れた。


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