私とオオカミくん４

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手には猫の缶詰らしきもの。





「この子どこにいた？」



「え、っと・・

　校舎の方に逃げ出してたよ」



「まじか。連れてきてくれたの？」



「うんっ！」



「ありがとう」




お腹すいただろう？って

猫に餌をあげ始めた。




ニャーって甘い声出して

嬉しそうに餌を食べる猫。







ほら、その顔。




とっても優しくて、

温かい表情してるの。




私が寺井くんのことを

嫌いになれなかった要因。







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「ん？なに？」



「・・や、なんでもない///」



つい見つめてしまってた私。




気まずくなって

かわいいねって、

猫に触れようとしたら






「ほんとごめん・・」



突然謝りだした寺井くん。





「えっ・・？」



「木下さんをからかってたこと」



「あ、ううん・・！

　もう大丈夫だよ・・！」



「俺、転入する前、彼女にフラれてさ。

　そのいらいらを君たちにぶつけてた・・」



「え？そうだったの・・？」





そんな理由があったなんて初めて知った。




やっぱり・・寺井くん、

本当はいい人だよね？





あんなことしちゃう理由が

ちゃんとあったんだもん。




こんなこと言ったら

宏に怒られちゃうかもしれないけど・・







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「俺の身勝手な行動で

　２人にひどいことして・・

　ほんとに反省してる」



猫を優しく撫でながら、

悲しそうにつぶやいた寺井くん。









「そ、そんなっ、もういい・・

「でも今度は本気」







「えっ・・？」







「遊びなんかじゃなくて、

　本気で好きになってる」




そう言って私をまっすぐ

見つめてくる寺井くん。









「え、えっと、・・

　言ってる意味が・・」



「そのまんまの意味だよ」





「・・・？？」





寺井くんの言葉が理解できなくて

ただただ呆然としてる私。









“本気で好きになってる”









それってどういう意味・・？




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