私とオオカミくん４

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「宏も・・」



「ん？」



「宏もなんもないんでしょ・・？」



「当たり前だろ？

　あん時は、あの子が体調悪いって言うから

　仕方なくそばにいてやっただけ」








そうだったんだ・・



ただ宏は体調悪い子を心配して

一緒にいてあげただけなのに・・




私、ひどい勘違いして・・







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「私こそ、ごめん・・」





信じてあげられなかった罪悪感に

また涙が溢れ始めた。






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「もー泣くなよ」



「だって・・」



「あんなふうに女子と２人でいれば

　フツー勘違いするだろ、仕方ねーよ」



「でも、・・」






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「それほど俺が好きってことだろ？」




「えっ・・？」




「俺のこと好きだから、

　不安になったんだろ？」





「・・・っ、」






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宏の言う通り。






私がこんなにも不安になったり

宏に八つ当たりもしちゃったりしたのは





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全部全部、






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宏が大好きだから。







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「俺も、同じ」



「え・・？」








「俺もAが好きだから、

　何もないってわかってても

　すげームカついた」





「宏・・」






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私だけじゃなかった。



宏もずっと苦しかったんだね。






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好きだからこそ、

すれ違っちゃった２人。







やっとお互いの想いが伝わった。







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「だからどっちも

　反省しねーとな。Aも俺も」



そう言いながら、私の頭を優しく撫でた宏。






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宏の言葉にまた涙が流れて、

そんな私を抱き寄せた宏は

私が泣き止むまでずっと抱きしめてくれてた。








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しばらくして、






「おし。じゃ、行くか」



「えっ・・？」



「行かねーの？」



「・・？？」






「デート。俺と一緒に行きたいとこあるんだろ？」



まだイブは終わってねーよって。








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「宏、・・っ、」



じわーってまた涙が浮かんで









「ったく、いつまで泣いてんだよ」





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ほら、行くぞって、

半ば呆れ気味の宏が

差し出してくれた手をぎゅって握った。


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