私とオオカミくん４

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しばらくの間、

泣きじゃくってる私を抱き寄せて

優しく撫でてくれてた宏。







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「A」



「・・なに？」



「寺井とは何もねーんだよな」



「うん・・ないよ」









「おし。じゃ、これあげる」




急に私の体を離して、

ごそごそと自分のポケットをあさり始めた。









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「嘘・・」




んって、宏が渡してきたのは

クリスマス用にラッピングされた小さな箱。







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「あげる」



「・・私に？」



「お前以外誰がいんだよ」



「え、え、・・」




突然差し出された箱を目の前にして

わけも分からず動揺する私。









そんな私の姿を見て、






「いいからやる」



呆れたように私の手を掴んで

強引にその箱を握らせた。







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「開けてみて」



宏の言葉に促されて、

そっとラッピングを取って箱を開いた。









「これって・・」



中にはきれいなネックレス。









よく見ると、箱の隅に小さく

お店の名前が書いてあった。







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ここって、さっき宏が入って行ったとこ・・






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私にプレゼントするために・・？






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「ほんとは、それ持って

　Aん家行こうとしてた」



「えっ・・？」



「そしたら偶然、

　男に絡まれてるA見つけて・・」







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“もう、宏の中に私はいないかもしれない。”




そんなの、私の勝手な勘違いだった。







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もらったプレゼントから

宏の想いが伝わってきて、









ポタッ・・ポタッ・・









せっかくのプレゼントが

涙で濡れていく。







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「俺さ、頭ではわかってたんだ」



「え・・？」



「寺井とのこと。

　Aが理由なく

　そんなことするはずないって」



「宏・・」



「けど、どうしてもムカつく

　自分を抑えられなくて」





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そっと、宏の指が私の頬に触れて








「ごめんな、A。

　いっぱい泣かせちゃったな・・」





切なく眉を寄せてつぶやいた。


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