私とオオカミくん４

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「宏、・・」




私の呼びかけなんて応じず

ただ前を向いたまま私の腕を引っ張る宏。







ぎゅうって、宏の握る力が強くて








「宏、痛い・・っ、」



「うるせ」



「・・・っ、」





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掴まれてる腕は痛いし、宏の声は怒ってるし、









やっぱりまだ、私のこと

許してくれてないよね・・








胸の奥がきゅーってして、

思わず涙が出そうになる。









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お互い特に何も話さないまま

人気の少ない場所に抜けた。






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「・・ったく、お前な・・



宏がこっちを振り返った瞬間、









「っ、・・！」



ぎゅって、

勢いよく宏に抱き着いた。






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「A・・」









“宏のそばにいたい”






その一心で、宏の体に

ぎゅうううって強くしがみつく。







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それと同時に、









「・・・っ、」





我慢してた涙が一気にこぼれた。








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「宏、私っ、・・」





宏とずっと話したかった。







寺井くんのこととか、宏のこととか

伝えないといけないことはたくさんあるの。









それなのに、








「わ、たしね・・っ、」



涙が邪魔をしてうまくしゃべれない。







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「私・・っ、

「A」









突然、宏に体を離されて





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「・・んっ、！」





そのまま強引に唇を奪われた。







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「落ち着け、ばか」



「だって・・っ、・・んっ、」








何度も何度も唇が重なる。







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宏の唇の感触が、

優しくて、温かくて

余計に涙が止まらない。







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「ひ、ろ・・」



「ん？」



「好きなの・・っ、」



「うん」



「宏が好きなの・・っ、！！」








勢い任せにもう一度、

ぎゅって宏に抱き着いた。







声は震えてるし、涙で顔はぐちゃぐちゃだし、

とてもかわいいなんて言える状態じゃないけど









「宏と一緒にいたい・・っ、」






それでも、宏に対する想いは一番なの。


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