私とオオカミくん４

152：宏side ページ19

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「北山―、なにしてんの？」



「あ？」



「なにケータイばっか見てんだよ」



「や、・・べつに」






“今日の私の課外が終わった後、

　宏と会って話したいです“





Aから来たLINE。







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会って話した方がいい。




それは俺もわかってる。







けど、いまだに昨日の光景が

頭に浮かんでむしゃくしゃする。






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結局、返信ができないまま

放課後になった。








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「北山、今日どこ行く？」



「あー、わり。今日は帰るわ」





友達と遊ぶ気にもならなくて

そのまま家に帰った俺。








「んしょ・・」



部屋に入ってすぐ

ベッドに転がり込んだ。








もう一度、AからのLINEを開く。








“今日の私の課外が終わった後、

　宏と会って話したいです“





今日Aが送ってきた文から

上に向かってスクロールしていく。








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「あ・・」





たまたま目に留まったのは、

Aから送られてきた

マフィンだかお菓子の写真。









“お菓子作ったよ〜”



“ちょうだい。”



“ごめん、食べちゃった。”



“え？何で俺に送ったんだよ。”



“あまりにも美味しそうにできたから・・”








こん時のA、

まじで意味わかんなかったなー。





お菓子がうまくできて、

相当嬉しかったんだよな。









ほんと、かわいいやつ・・





自然と頬が緩む。









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“宏のワンちゃん元気？”



“今日一緒帰れて嬉しかった！”



“お母さんによろしく

　お伝えください！”









何てことない内容なのに、

過去のLINEを振り返れば振り返るほど、

自分の中のAの存在のでかさに気づく。






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このままじゃ・・いけねーよな。








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「・・よし」




俺は、Aと話すために、

もう一度学校に戻ることにした。








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「あれ？」



Aの教室に向かったけど

電気は消えてて、Aの鞄が

机の上に置いてあった。









「どこ行ったんだろ・・」


なんとなく、勘で

職員室のほうに行った。



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