私とオオカミくん４

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次の日、


朝教室に向かうと

偶然寺井くんと鉢合わせた。






「・・・・。」


「・・・・。」






お互いに目を逸らして

教室に入ろうとした。









(・・っ、だめだ・・！！)








「て、寺井くん・・！」




私の呼びかけにびっくりして

振り返った寺井くん。






「ほ、ほっぺた大丈夫・・？」



「え・・？」



「あ、あの、殴られたとこ・・」



「あ、あー大丈夫。

　そこまで痛くなかったから」



「そ、そっか・・

　それならよかった・・」



「てか、何で俺の心配すんの？」



「えっ・・？」



「だって俺、君に最低なことしてたんだよ？」



「うん・・そうなんだけど・・」



「何で？」



「私も鈍感すぎたし・・、

　殴った宏も反省してたし・・、それに・・」



「それに・・？」






「寺井くん、本当はいい人だと思うの」



「え？」



「寺井くん、いつも校庭に来る

　野良猫をかわいがってたでしょ？」



「何でそんなこと・・」



「この前たまたま見ちゃって。

　そんな人が私で遊んでたなんて

　いまだに信じられないくらいなんだけど・・。

　きっと何か理由があってあんなこと

　しちゃったのかなって・・」









寺井くんがしたことは、

正直最低だと思う。





でも私は、




避けたり、嫌ったりしないって決めた。








校庭の野良猫のお世話してる寺井くん、

すっごく優しい顔してたの。





その顔思い出したら、

嫌いになれなかった。





同じクラスだから

変に気まずくなってもいけないし・・








昨日ちゃんと宏にも相談したの。






「はぁ？お前な・・」って

ちょっと怒られちゃったけど、



最終的には「Aらしいな」

って許してくれた。









「一緒のクラスだし、これからは

　ちゃんと仲良くしよ・・

「わかった気がする」




「えっ・・？」




「何で北山くんが君を選んだのか」



「・・？？」



「そういうとこが好きなんだろうな」



「え、えっと・・」





言ってる意味がさっぱり・・





「あ、ＨＲ始まるよ・・！」



「あ、うん・・！」







寺井くんと別れて

何事もなかったかのように

席についた。


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