みっくんが好き。

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「え、だ、大丈夫ですよ・・！

　北山さんが風邪ひいちゃいます！」



「俺は丈夫だからいける」



「で、でも・・っ」



「いいから、話聞いて？」



「・・・はい」




どこまでも優しすぎて

本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。




だからその分、

どうにか北山さんを励ますことができれば・・



なんて考えていたけど、








「そ、そうですね・・」



北山さんの話はその業界特有のもので

なかなかいいアドバイスが出てこない。







「えっと、・・その」



「ま、この業界にいたら

　こんなこともあるよなー」



「・・・・・・。」







どうしよう。


なにかいい助言ないかな・・









そこで私が考え出した解決法。









「・・た、食べる！！」



「え・・？」



「美味しいものをたくさん食べると

　幸せな気持ちになります・・っ」



「・・・・・。」









・・・ハッ









何でこんな凡人みたいな助言を

してしまったのだろうか・・。




北山さんの話はそんな簡単に

解決するようなものじゃないのに。








案の定、

んーって困ったような顔してる。









「す、すみませ・・

「んふふっ」





え、笑った・・？





「・・・？？」



「ほんと最高っ、！」



「えっ・・？」



「たしかに美味しいもん食うと

　いろいろ忘れられるよな、ふふ」



「あ、あの・・」



「ありがと。なんか元気でたわ」





んしょって立ち上がって





「また美味しいもん食べに

　ここ来るから、よろしくね」





フッて笑いながら




私の頭をぽんぽんって。









.






ドキッ・・









一瞬の出来事だった。








でもそれだけで





「・・・・・・っ、///」





私の気持ちはおかしくなった。









.








「じゃ、そろそろ帰るね」



「は、はい・・！

　これありがとうございました・・っ///」


ずっと羽織ってた上着を返す。






「ん。風邪ひくなよ」



「き、北山さんこそ・・///」



「ばか。俺は丈夫だって言ったろー？」


んふふって余裕そうに微笑む。









「そういえば、

　名前なんて言うの？」



「え？、えっと・・後藤です///」



「違うよ。下の名前」



「えっ・・！？///」



「なに？」



「や、・・えっと、Aです///」



「Aちゃんね、了解」



じゃ、またねってタクシーを捕まえて

そのまま帰って行った北山さん。



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