みっくんが好き。

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「北山さん、お礼・・」



「いいよ、そんなの。

　てか、戻んなくて大丈夫？」





・・・ハッ




「も、戻ります・・っ！！」



「うん、頑張ってね」



「またお礼させてください・・っ」



「はいはい。また今度ね」



「失礼します・・っ」







急いで店内に戻った私。




結局ちゃんとお礼できなかった・・




というかまたお客さんである

北山さんに励まされて

アドバイスももらって・・






私、なにしてるんだぁぁぁぁ・・








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『接客業は笑顔が大事だぞ？』



北山さんのおかげで

いつも以上に笑顔で接客できた私。




また北山さんに助けられてしまった。







自分の情けなさも感じたけれど

それと同時に改めて

北山さんの優しさを実感した。









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その日以来、ちょくちょく

来店してくださる北山さん。





私のことも覚えて下さって






「大丈夫？失敗してない？」


こそって私に話しかけてくれる。









「今日は大丈夫です・・っ」



「今日、は？」



「きょ、今日も、です・・！！」



「んはは、ほんとかよー」





いつも気さくに話しかけてくださる

北山さんの存在が嬉しくて、

いつのまにか北山さんの来店が

待ち遠しくてたまらなくなってた。









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でもある日。







(あ、今日北山さん来てる・・！)


久しぶりに店長のメモを発見した。





一気に嬉しくなった私。









お肉を運んでいる途中で

北山さんとすれ違った。




ちらって見た北山さんは

なんだか浮かない顔してた。





いつもなら

「肉落とすなよ」

とか笑顔で言って下さるのに。




今日は私に目もくれず

お手洗いのほうに消えていった。





なにかあったのかな・・？









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ゴミ出しに出ると、

この前みたいにタバコを吸ってる

北山さんの姿を見つけた。





ふぅーって煙を吐きながら

おもむろに上を向いている。





いつもの北山さんじゃないみたい・・








声がかけづらくて

ゴミ袋をそっと置いて

店内に戻ろうとしたら









「どうすっかなー・・」


北山さんの小さな声が聞こえた。


掠れててどこか不安げな声。









思わず




「どうされたんですか・・？」




声をかけた。




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