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『あのさ、俺・・
Aちゃんのこと・・』
私を強い力で抱きしめながら
耳元で呟いた言葉。
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北山さんが去った後、
言葉の続きがどうしても気になって
気づけば
その姿を探して街を彷徨っていた。
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“忘れなきゃ”
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何度も何度も決意したのに
上着から漂う優しい匂いが邪魔をする。
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それに加えて
さっきまで感じていた
北山さんの掠れた声と
腕のぬくもりがさらに私を揺さぶる。
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やっぱり、
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好きなんだ・・。
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忘れようとしても忘れられなかった想い。
せっかくなら伝えちゃえばよかった。
忘れたくても忘れられないんですけど!って
ちょっと不機嫌っぽく。
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「北山さん・・」
好きが溢れて
すごくすごく胸が苦しい。
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だめだ。
やっぱりだめだよ。
会ったら余計に苦しくなる。
「帰ろう・・」
足を止めて家路につこうとした時、
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「後藤・・?」
偶然鉢合わせた
「店長・・」
「こんなとこでなにしてんだ?」
「あ、いや・・その・・」
慌てて北山さんの上着の下に隠されていた
自分の服をさりげなく直す。
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「女の子がこんな時間にうろうろ・・」
まるで親のように私を心配した店長が
ぐだぐだお説教を始めた時、
私の中にある考えが浮かんだ。
「店長・・!」
「だからお前は・・」
「あのこれ・・!」
「・・ん?」
「これ・・、北山さんに返しといてください・・!」
街を彷徨っている間
ずっと握りしめていた上着。
ぎゅっとしていた手を放して
そっと店長に差し出した。
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やまみつ(プロフ) - メロさん» こんばんは!お待たせしてしまいすみません(泣)久しぶりの更新です。急展開です。楽しんで読んでいただけると嬉しいです◎ (2017年7月2日 23時) (レス) id: f90c4f8e8d (このIDを非表示/違反報告)
やまみつ(プロフ) - tsubakichanさん» こんばんは!本当にお久しぶりです(泣)やっと更新ができました!急展開です!楽しんで読んでいただけると嬉しいです◎ (2017年7月2日 23時) (レス) id: f90c4f8e8d (このIDを非表示/違反報告)
メロ - 更新ありがとうございます。キスしゃったり主人公ちゃんも帰っちゃったり、すごい状況で仲直りができるか私まで不安です(笑)リアルとの両立は難しいですよね。ゆっくりで大丈夫です。私達は気長に待っているので、(リアルが)落ち着いてからゆっくり書いてください。 (2017年1月5日 1時) (レス) id: 2ca1bbbf12 (このIDを非表示/違反報告)
tsubakichan(プロフ) - いつも更新の事を気にされているようですが、ご自分のペースで自由にして頂くのが一番ですよ。 私は、こちらのヒロインちゃん大好きなので、無事に完結されるまで、いつまでもお待ちできます。逆に、お忙しいのに更新ありがとうございました。 (2016年10月9日 6時) (レス) id: 5589304e39 (このIDを非表示/違反報告)
tsubakichan(プロフ) - 更新、お疲れ様です。甘々展開ではなかったですね〜。早く追いかけて!どんな理由か知りませんが『キスして、ゴメンはないだろ!』と泣かせてばかりで、いつまでも煮え切らないみっくんに少しイラっとしました。(苦笑) (2016年10月9日 6時) (レス) id: 5589304e39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまみつ | 作成日時:2015年11月13日 1時